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5S活動:仕事の5Sとは~残業を減らす仕事の整理改善の取り組み方

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5S活動の記事

ムダを取り除く仕事の整理改善の進め方とポイント

仕事の5Sは、整理整頓の対象をモノや情報ではなく、仕事そのものを整理整頓の対象とする取り組みです。
仕事の整理は、価値のない、または価値の低い仕事をやめる改善です。
働き方改革に向けて残業を減らすためには、価値のない・低い仕事をやめて仕事量を減らす取り組みが不可欠です。
仕事の5Sの整理改善とはどのようなもので、どのように行えばいいでしょうか。
仕事の5Sの定義、ねらいと整理改善のポイントについて解説します。

・仕事の5Sの定義
・仕事の5Sのねらい
・仕事の整理とは
・仕事の整理は仕事をやめること
・仕事の整理改善の進め方

仕事の5Sの定義

まず、仕事の5Sとはどのようなものか理解を深めましょう。
通常の5Sと、基本的な考え方はまったく同じです。
対象を、仕事そのものに限定して、捉えていることが違うだけです。
仕事の5Sの定義
仕事の整理とは、顧客にとって価値のある仕事と価値の無い仕事を区別し、価値の無い仕事をやめることです。
ポイントは、仕事を顧客視点で、その価値を見るということです。
顧客に価値を提供できていない仕事を、行い続けていても顧客からは評価されません。
そのようなことに貴重な人材を、投入していることが、競争力を低下させてしまいます。

仕事の整頓とは、仕事の負荷や能力の偏りを無くし、仕事の流れを整えて、滞留や戻りなどを無くして、仕事のムリ、ムラを減らすことです。
用意してある能力に合わせた負荷で、仕事が行われていくことはありません。能力と負荷は常にアンバランスなものとなります。このアンバランスの状態をなくすことが仕事の整頓です。また、仕事は何らかの問題などによって、滞留したり、手戻りを発生させたりします。流れを整えてスムーズに仕事が処理されるようにすることも仕事の整頓です。

仕事の清掃とは、仕事が常に適切に行われるように継続的に改善することです。
仕事は、常に環境変化、要求変更などが繰り返されています。当初の予定通りに進められないことが、様々な仕事のムリ、ムラ、ムダを生みます。
刻一刻と変わっていく仕事の問題をリアルタイムに解決することが重要です。

仕事の清潔とは、誰が見ても仕事の負荷や状況を把握でき、次に何をすればよいかわかるようにすることです。
ポイントは、誰が見てもわかるくらい、客観的に状況がわかるようにすることです。
また、把握は、単に知るということではなく、次のアクションに繋がる把握が大切です。

仕事のしつけとは、通常の5Sと同じく、職場のルールや規律を守り、習慣づけることです。
価値のある仕事を安定的にスムーズに行うやり方を習慣化させるようにします。

仕事の5Sのねらい

仕事の中に潜むムリ・ムラ・ムダが悪さをする

気持ちの良い職場をつくる上で5Sは不可欠ですが、ただそれだけのために5Sを行うのでしょうか?
5Sが職場において、仕事において、どのように役立つのでしょうか?
それらを考えるためには、私たちの職場の中で、日常的に起きていることに目を向けてみましょう。
仕事の中では、日々、様々なムリ、ムラ、ムダが発生しています。
人は日々、小さな間違いや失敗を繰り返しています。その間違いや失敗が仕事を止めたり、やり直すことを強いたりして、仕事を混乱させます。
初めての事や過去に失敗したことを行うときは、戸惑いを感じながら、おそるおそる仕事を行い、冷静な判断や行動を阻害したりします。
資料や情報の有りかがわからず、探したりすることもあります。見つけきれなかったり、古い情報で仕事をしたりすることによって、不適切な結果を招いたりします。
久しぶりの仕事や複雑な仕事は、手順書や、過去の資料を見て、手順や方法を思い出しながら行うために、時間がかかったり、間違いを誘発したりします。
このような、様々な要因によって、仕事は混乱したり、やりにくくなったりします。
これらの要因を放置したまま仕事をしていけば、いつか大きな問題に進展することもあります。

仕事の5Sによってバラツキを減らす

日々の間違いや失敗、戸惑い、探索や思い出しながらの仕事の進め方は、仕事をばらつかせます。
5Sでバラツキなくす
同じような仕事であっても、これらの要因があることによって、かかる時間が毎回大きく異なり、ばらつくのです。
作業時間が30%から100%以上ばらつくことはよく見受けられます。
2倍、3倍と著しく差がある場合もあります。
5Sによって、職場の中の不要なものを無くし、要るものだけを使いやすく置いたり、片付けたりすると、間違いや失敗、戸惑い、探索などのバラツキの原因が少なくなり、作業時間が安定化します。
5Sによって、作業時間を長くする様々な邪魔モノが消えると時間は最も早い時間帯に落ち着きます。
それによって、平均作業時間は、バラツキの半分程度短縮され、生産性は高まることになります。
また、仕事を混乱させる原因が消えることによって、仕事上の間違いや失敗は消えて、品質も向上します。
仕事の手順や方法もわかりやすく、やりやすくなることによって、仕事の習熟度も高まり、その分、仕事の品質は高まります。
このように5Sは、仕事のムリ、ムラ、ムダの原因を除去することによって、生産性と品質を高めることに大きく貢献します。

仕事の整理とは

仕事の5Sにおいて、最初に実施することが仕事の整理です。
仕事の5Sの最初は仕事の整理
顧客にとって価値のある仕事と価値の無い仕事を区別して、価値の無い、ムダな仕事をやめることです。
ムダな仕事をやめるなんて過激な言い方かもしれません。
あえて、やめるという言い方をするには訳があります。
やめることによって初めて見えてくるものがあるからです。

仕事の整理のねらい

仕事の整理のねらいは、顧客にとって価値のある仕事/ない仕事を区別して価値のない仕事をやめることです。
仕事の整理のねらい
顧客にとって価値のある仕事を行うことが、企業の競争力を高めます。
仕事の整理のポイントは、顧客視点で仕事の価値を考えることです。
整理では、ついつい、その仕事が必要か否かで見てしまいます。
これは、自分たちにとって必要かという視点です。顧客視点ではありません。
必要性で見るのではなく、価値で見ることが重要です。
そして、価値がまったく無い仕事、価値がゼロの仕事などありません。
その仕事に投入されているコストに見合った価値があるか、ないかで判断します。
価値の無い仕事を見極めるには、仕事の中で起きている異常に着目します。
正常な状態で仕事が完了することが理想の仕事のやり方です。
異常は、本来、不要な何かが行われていることになります。
仕事の整理改善では、まず、やめることを先に考えます。
やめられるか、どうかを考え始めると、やめられなくなります。
整理では、本当に価値のある仕事だけを残すことを、めざします。

仕事の整理は仕事をやめること

なぜ仕事を“やめる”ということが必要なのか?

それでは、なぜ、仕事をやめるということが、必要なのでしょうか?
効率化して、早くやる、ではダメなのでしょうか?
新しいことを始めるにはやめる力が必要
例えば、現在の仕事を、効率化改善して、今よりも早く、短い時間でできるようにします。
そこに、新たな仕事が加わってきます。
私たちは競争にさらされていて、常に新たな仕事に取り組んでいかなければなりません。
そして、また、効率化改善を行い、早く、短くできるようにしていきます。
そして、また、新たな仕事が加わってきます。
このようなことを、繰り返していても、仕事は増え続け、どれだけ、効率化改善しても、いつかは許容能力を超えてしまいます。
やめる改善とは、現在の仕事をやめて、新しい仕事に置き換えていく改善です。
仕事を減らしながら新しい仕事を取り込んでいくやり方です。
企業競争力とは、常に環境や顧客の変化に対応して、新たな仕事を取り込む力のことです。
新しい仕事を取り入れるには、今の仕事をやめる力がなければなりません。
仕事の整理は、新しいことを始める前に、今の仕事を整理して「やめる」ことです。

やめる仕事は価値の無い仕事

では、やめる仕事とは、どのようなものでしょうか?
組織視点と顧客視点
仕事には、必要なものと、必要の無いものがあります。
必要の無いものをムダと言います。
ここで、視点を変えてみましょう。
組織の視点と顧客の視点です。
組織の視点で見てみると、必要なものとは、組織にとって必要なもので、必要の無いものとは、組織にとって必要の無いものです。
組織にとって必要の無いものを組織のムダと言います。
顧客視点で、仕事を見てみると、顧客にとって価値のあるもの、顧客にとって価値の無いものに分かれます。
顧客にとって価値のあるものを、顧客に提供している付加価値と言います。
ここで、組織視点と顧客視点での違いを見てみましょう。
組織にとって必要なものだけど、顧客に直接価値を提供していない仕事があります。
これを顧客のムダと言います。
例えば、業務の進捗状況を把握して、管理するための、進捗会議などは、その会議自体が、顧客に何らかの価値を与えていることはありません。
しかし、会社としては、進捗会議をしなければ、業務遂行に支障をきたすことになります。
そもそも、組織のムダがたくさんある会社はありません。ムダとわかっていてその仕事を行うことは基本的にはありません。
一部、ムダとわかっていて実施せざるを得ない場合もありますが、それよりもはるかに多いのが顧客のムダです。
仕事の整理では、この顧客のムダを無くすことをめざします。
いくら顧客のムダであっても、組織としては、必要なことですから、簡単にはやめることができません。
知恵と工夫を働かせて、やめる改善を行っていきます。
仕事の整理とは仕事をやめる改善のことですが、仕事をやめることが企業の競争力につながりますか?
答えは、ノーです。
仕事をやめたところで、顧客から選ばれて、次から次へと注文が増えるようなことはありません。
やはり、魅力的な商品やサービスを提供してこそ、顧客から選ばれるのです。
そのためには、顧客の求める魅力、すなわち顧客へ提供する付加価値を、高めなければなりません。
では、どのようにして、付加価値を高めれば良いのでしょうか?
そこには、創造力を高める取り組みが不可欠ですが、そもそも今現在の付加価値もどこまでわかっているのでしょう?
付加価値を知るためには、価値の反対であるムダを探求してみれば良いのです。
仕事の整理を行うことは、ムダを見出すと同時に、顧客への付加価値を探求していることになります。
付加価値の探求を行っていく力を鍛え上げることで、次の付加価値を創造する力が高まるのです。

仕事の整理改善の進め方

仕事を棚卸しして価値の無い仕事を明確にする

では、実際に、仕事の整理をする手順を、順番に説明していきましょう。
仕事には価値の低いものから、高いものまで、いろいろなレベルの価値があります。
単純に、ある、無し、と分かれるものではありません。
この価値について、職場で話し合い、やめる対象とする仕事か、否かを、判断する整理基準を決めます。
整理基準は、仕事の内容、職場の置かれている環境などによって、様々なものがあり、どこでも同じ基準となるものではありません。
仕事の整理基準
価値のある仕事とは、その仕事、またはその仕事から生み出された商品やサービスに、時間やコストに見合った対価を、払うほどの価値があると顧客が認めるものです。

価値の無い仕事は、その仕事、またはその仕事から、生み出された商品やサービスに、時間やコストに見合った対価を、払う気になれないと顧客が思うものです。

実際には、バシッと基準が決められるわけではなく、価値の無い仕事が何であるのか、個々の事例毎に話し合って、決めていきます。
価値の無い仕事と定義されたものは、価値が皆無というものではありません。
価値の大きさに対して、時間とコストが見合わないというものです。
これは仕事の格付けをしているということではありません。
仕事は、いろいろな経緯があって、行うことになったものばかりです。
価値の無い仕事と定義された仕事を、行っていること自体を、悪いこと、レベルが低いことと、評価してはいけません。
これは、あくまでも、改善対象とする仕事を、絞り込んでいるだけのことです。

価値の無い仕事の着眼点は“異常”

では、価値の無い仕事の見分け方はどうすればいいでしょうか?
価値の無い仕事を見分ける着眼点は、異常です。
仕事をこの異常という着眼点で見てみましょう。
異常にはいろいろなものがあります。
ここでは、7つの異常の着眼点をご紹介しましょう。
 1つ目の異常は、過剰です。
 2つ目の異常は、待つ、ということです。
 3つ目は、伝達です。何かを伝えることです。
 4つ目は、再発です。何か同じ事が繰り返して発生することです。
 5つ目は、慣習です。昔からの慣わしのように決まっていることです。
 6つ目は、抱え込みです。一人で抱えてしまうことです。
 7つ目は、見込みです。「たぶん」、「だろう」、というような勝手な推測です。
仕事を異常で見る
過剰の仕事とは、行き過ぎや進み過ぎた仕事のこと、多すぎる人の投入、捌ききれない情報を抱え込んで行っている仕事です。
過剰なものは、顧客にとっては、いらない機能やサービスです。過剰で、やっかいなのは、いったいどこからが過剰なのかわからないことです。

待っている仕事は、まさに待っている状態そのものです。人が次の仕事を待っていること、逆に仕事が、処理されるのを、待っていることです。
様子見や、観察のために、仕事を止めて、しばらく待っていることもこれにあたります。
多くの場合、待っている間は、他の仕事を行って、時間をムダにすることはありません。
しかし、待つことが全体のリードタイムを長くして、顧客への納期を延ばしたり、機会損失を生んだりします。
PDCAサイクルを多く回すことができず、完成度の低い商品やサービスを提供することにもなります。

伝達するという仕事は、何か情報などを伝えることです。伝えることは大切な事ですが、伝えた情報が次のアクションにつながらないような情報であれば、それは伝えた先で役に立っていないことになります。メールなどは不要な情報を大量に相手に押し込むような伝達となることがあります。

再発の仕事は、一度発生した問題などを再発させていること、同一内容の質問を繰り返して受けているようなことです。最初にしっかりと処理や対応をしていれば、2回目は無かったという仕事のことです。

慣習的仕事は、実施すること自体が、目的である仕事や、過去に見直しをされたことのない、陳腐化した基準に基づいて、実施している仕事です。
誰もその仕事の意味や価値を考えずに、ただ実施している仕事です。

抱え込みの仕事は、個人が一人で抱え込んでしまい、他の人にはわからなくなっている仕事、一人でやりきろうとしている仕事です。忙しくても誰も手伝えず、何かあっても対処できないような仕事です。

見込みの仕事は、予想に基づいて、まだ、オーダーの来ていない仕事を先に進めて行ってしまう仕事です。
また、リスクを十分に検証しないまま、どんどん前に進めてしまう仕事です。
このような異常の着眼点で、自分たちの仕事を見直してみると、
果たして顧客に価値が提供できているのだろうかと、疑問のわく仕事が見えてきます。

価値の無い仕事をやめる改善

次に価値が無いと定義され、やめたいと決めた仕事を、どのようにやめる改善をするかについて説明します。
仕事をやめる改善
やめる改善においても、異常という着眼点は役に立ちます。
異常があるから、その仕事をやることになってしまったわけですから、この異常が発生しないようにすれば、その仕事は最初から、やらなくて済むようになります。
異常が、なぜ発生するのか、正常な状態になぜならないのか、その原因を探求します。
そして、その原因をつぶして、異常が発生しないようにしてしまうことによって、価値の無い仕事をやめることができます。

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