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QC7つ道具の使い方:現状調査から原因分析に役立つQC手法のテキスト、作成事例

現状調査原因分析のためのツール

層別・チェックシート・特性要因図・散布図の作成方法と使い方

QC7つ道具には、チェックシート、特性要因図、散布図、グラフ、パレート図、ヒストグラム、管理図があります。前者3つは、問題解決・改善活動の現状調査から原因分析(要因解析)に役立つツールとして使われます。現状把握、原因分析・要因解析における各ツールの特徴と使う目的、作成方法、使い方のポイントを事例を交えて紹介します。

 <目次>
計データの基本
0.層別とは
1.チェックシートとは
・チェックシートのつくり方
2.特性要因図とは
・特性要因図のつくり方
3.散布図とは
・散布図のつくり方

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統計データの基本

品質管理は、事実に基づく管理です。
事実を表すものはデータです。
QC7つ道具の手法を使いこなすためには、事実を表すデータの収集・整理ができなければなりません。
では、最初に、データを収集し整理するステップについて学びましょう。
1つ目は、目的の明確化です。
なぜデータを取るのか目的を明確にします。例えば、市場分析、製品開発、耐久性予測、安全性評価、品質確保、改善などがあります。
2つ目は、どのようなデータが必要か、目的を達するために、どのような事実を客観的に評価すべきか、データ項目を決めます。
データの種類としては、長さ、重さ、時間など量を単位とした計測器等で測って得られる「計量値」、不良数や作業者数など数をかぞえて得られる「計数値」があります。
3つ目は、どのようにしてデータを取るか、尺度、測定方法、測定範囲、測定者などを明確にします。
例えば、尺度=不良個数、測定方法=目視チェック、測定範囲=8月1週目の5日間、測定者=Aライン検査員などとします。
4つ目は、どれほどデータを取るか、母集団とサンプル数を決定します。
対象の全てのデータを取ることは非効率で、経済的ではありません。
そこで管理対象の集まりである母集団からサンプルを抜き取ってデータを取ります。サンプルは統計的計算に基づいて母集団を十分に推定できる抜き取り数を決定します。
サンプルには、「かたより」と言われる平均値と真の値の差、精度と言われる平均値からの個々の値のバラツキの程度の誤差を最小化するために、抜き取り方法を考慮しなければなりません。
5つ目は、どのようにデータを整理するのか決めます。
データからどのような事実を知りたいのか、その目的によって、平均、バラツキ、時系列、層別などの方法を選択します。
 

0.層別とは

データの収集・整理をする上で重要な手法が層別です。
層別は、QCの 8つ目の道具と言われるほど、7つ道具の基礎となるものです。
データを、5METなどの視点から分類して整理することにより、そのデータの持つ癖や特徴がわかり、平均や傾向をつかんだり、バラツキの原因を把握したりすることができます。
層別の項目例としては、
Man(人)という視点から、班、作業者、経験年数、直、男女、年齢、などで分類します。
Machine(設備・システム)という視点から、機械、種類、ライン、冶工具、型、新旧、などで分類します。
Method(手順・方法))という視点から、作業方法、作業条件、ロット、などで分類します。
Material(モノ・材料)という視点から、購入先、材料ロット、受入日、保管場所・期間、などで分類します。
Measurement(測定方法)という視点から、測定機器、測定者、測定方法、測定場所、などで分類します。
Environment(環境)という視点から、天気、気温、湿度、風速、場所、などで分類します。
Time(時間)という視点から、時刻、年月日、曜日、午前・午後、期、などで分類します。
このように、予め層別項目を決め、データ取りを行います。
例えば、作業者別と言う項目で、各作業者の作業時間を測定します。
次に、取得したデータを層別で分類整理します。
例えば、A作業者の1回目は30秒、2回目は40秒。B作業者の1回目は50秒、2回目は51秒、というようにデータを整理します。
すると、癖や特徴が見えてきます。
例えば、A作業者は早いがバラツキがある、B作業者は遅いがバラツキが少ない、など。
更に、そこから問題が具体化されます。
例えば、人によるバラツキが激しい、同じ人でも毎回ばらつく、など。
このように層別することにより、現状が明らかになります。

 

1.チェックシートとは

目的とするデータを正確に取るためにつくられたもので、日々の作業の中に隠れている実態を明確にするため、項目を設けて、データを記録するツールです。

チェックシート種類

種類として、まず日常業務をチェックする記録用チェックシートがあります。
正常/異常をチェックする管理用のためのチェックシートは、例えば、5Sチェックシートのように職場の5S状況を管理するために用います。
結果を記録して観察する記録用のためのチェックシートは 、例えば、加工不具合発生記録チェックシートのように毎日の不具合状況を記録するために用います。
現状分析や原因究明するための調査用チェックシート は、寸法調査チェックシートのように精度を調査するために用います。

チェックシートのつくり方

①データを取る目的を明確にする

例えば、加工不具合の発生状況を把握する、などのように何のためにチェックするのか、結果をどう活用するのか、明確にします。

②様式を決める

・簡単にチェックできる
・整理しやすい
・ひと目で全体が分かる
などの観点から様式を決定します。
例えば、加工不具合発生記録チェックシートでは、横軸に日付、縦軸に不具合内容をとります。

③5W1Hを明確にする

What: 何を、どんな項目をチェックするのか
When: チェック期間、日時、タイミング
Where: どこで、どの職場をチェックするのか
Who: 誰がチェックするのか
Why: (目的の明確化)
How: 測定方法、記録する記号、数値単位などをどうするか
という点から抜け漏れを防ぎます。
例えば、不具合を、1週間、A職場で、佐藤さんと山田さんが、目視でチェックする、となります。

④データを記入する

発生頻度を記入します。
チェック欄には空白をつくらないようにします。
例えば、1回ごとに斜線を入れ、5回目は4つの斜線を左上から右下に横切る棒線を入れるというようにチェックします。

 

2.特性要因図とは

問題となっている特性(結果)に対する要因(原因)を明確にするもので、問題の因果関係を整理し、原因を追求するツールです。

特性要因図の目的

問題になっている特性(結果)に対して、広い視野に立ち、Man(人)、Machine(設備)、Material(材料)、Method(方法)などの観点から、影響を及ぼしていると思われる要因を多面的に数多く洗い出して、魚の骨のようにまとめることによって、目で見られるようになり 、事象が整理され 、全員の教育にもなります。
要因と、その関連性を見える化することで、重要な要因を全員で合意することができます。

特性要因図のつくり方

特性要因図のイメージ
①問題を明確にする

原因を分析したい問題を右端中段に記入します。
なるべく具体的かつ端的な表現で書いてください。

②基本要素に分けて探求

特性要因図は、4Mである、人、施設・設備、製品・材料、方法といった仕事の基本要素に分けて原因を探求していきます。
仕事の性質や分析方針によって、この基本要素は変更することがあります。

③なぜを繰り返し原因を掘り下げる

問題に対する直接的な原因を考えて書き出します。
なぜを繰り返して、直接的原因が発生した原因を考えて書き出します。
書き出した原因は矢印でつなげていき、関連性をわかるようにします。

④重要要因を絞り込む

問題に最も関連性が強い原因を重要要因として特定して、赤丸で囲みます。
現地現物で裏付けを取り、事実に基づいて特定します。

⑤関連事項を記入する

作成した目的、作成日、場所、作成者などを記入します。

 

3.散布図とは

2種類のデータにおける相互の関係を明確にするもので、2種類のデータをX軸とY軸の交点でプロットし、相関関係があるか、ないかを見るツールです。通常、X軸は要因系のデータ、Y軸は結果系のデータとなります。

散布図の種類と相関傾向

相関関係には、正の相関がある、負の相関がある、相関がない、というものがあります。
正の相関とは、Xが増加すれば、Yも増加する関係で、右肩上がりとなります。
負の相関とは、Xが増加すれば、Yが減少する関係で、右肩下がりとなります。
相関がないとは、Xが増加しても、Yの値に影響しない関係で、打点はランダムです。
このほかに、最大型、最小型、指数型など直線的な関係ではない相関関係も見ることができます。

散布図のつくり方

①データシートをつくる

2つのデータをX、Yとし、データ表にします。
データは最低でも10以上つくります。
例えば、ある月の気温とビールの売上のデータに相関関係があるかないかを調べます。
売り上げを左右すると思われる要因系のデータの気温をXとします。
結果系のデータの売り上げはYとします。
30日分のデータですので、データ数はナンバー30までになります。

②データの最大値・最小値を求める

一覧の中で最大値・最小値をマークします。

③X軸・Y軸を記入する

最大値、最小値が収まり、X軸、Y軸が正方形になるようにします。
横軸にX、縦軸にYを記入し、目盛りを等間隔でプロットします。
例えば、横軸に気温、縦軸に売上が入り、正方形になります。

④データを打点する

X軸、Y軸の交点に「・(点)」で打点します。
データが重なったら「◉(2重)の点」で示します。
順に打点していったとき、XYの関係を読み取ります。
例えば、気温が上がると売り上げが上がる関係にあれば、正の相関関係があると言えます。

⑤関連事項を記入する

作成した目的、作成日、場所、作成者などを記入します。

問題解決の記事⇒QC7つ道具:問題解決アプローチとは~問題解決ストーリーで論理的・統計的アプローチ
改善立案手法の記事⇒QC7つ道具とは:グラフ・パレート図・ヒストグラム・管理図のテキスト、作成事例

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【この記事を書いた人:

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