fbpx

Blog

不適合品と異常品の識別と処置の仕方と管理ポイント

不適合管理のイメージ図

製品や部品・原材料の品質状態を明確にし現品管理する方法

不適合品を適切に管理できず、流出させてしまうと顧客の信頼を失い、ビジネスに多大な影響を及ぼします。
ものづくりに関わる仕事では、不適合品を識別し管理することが品質管理の基本事項です。
不適合品の流出を防ぎ、品質管理レベルを高めるためには、製品や部品、原材料の品質状態の識別と、品質状態に応じた適切な取り扱い、保管・処置などをどのように行うべきか、その方法とポイントを紹介します。

 <目次>
製品や部品・原材料の4つの品質状態
製品・部品・原材料の原単位と品質状態の関係
4つの品質状態の識別と隔離の必要性
不適合品の処置の仕方

品質管理の動画学習>7日間無料
品質管理の動画学習イメージ

動画で学ぶ
不適合と異常の識別管理方法

不適合品・異常品の識別と管理方法を解説
不適合・異常品の識別方法を事例で説明
ガイド・テンプレートもダウンロード可
300以上の学習動画が定額見放題
もっと見る


製品や部品・原材料の4つの品質状態

4つの品質状態の説明図

製品や部品・原材料の品質状態には、4つの状態があります。
一つ目は、適合品という状態です。合格品、良品と呼ばれたりもします。
二つ目は、正常品という状態です。通常品、流動品と言われたりします。
三つ目は、異常品という状態です。保留品、監視品と言われることもあります。
最後は、不適合品です。不合格品、不良品とも言われます。

特に、不適合品や異常品は、不適合品管理に関するルールなどによって、識別と取り扱い、処置などの管理方法が厳しく定められています。
それでは、それぞれの品質状態について、詳しく説明していきます。
 

適合品と不適合品とは

最初は、適合品と不適合品です。

適合品と不適合品の定義の説明図

製品や部品、原材料は、その品質を規定した仕様書や図面があり、それに基づいて作られたり、処理されたりします。
また、品質状態を判定するための検査基準書などもあり、それに基づいて検査や品質確認が行われます。

製品や部品、原材料は、これら図面や検査基準書を満たしている状態と、満たしていない状態があります。
満たしている状態のモノを、適合品と言います。
そして、満たしていない状態のモノを、不適合品と言います。
適合品と不適合品の違いは、図面や検査基準書で規定されている品質を満たしているか、満たしていないかの違いとなります。

満たしているか否かは、誰でも、勝手に判定していいという訳ではありません。
決められた検査、または確認手順で、満たしているか否かを客観的に評価し、会社から認められた判定権限のある人による判定で決定されます。
検査員や工程内品質確認者、出荷可否判定責任者、不適合品管理責任者などが判定権限のある人となります。

正常品と異常品とは

次は、正常品と異常品です。

正常品と異常品の定義の説明図

仕事は、作業手順書や作業指示伝票などに規定された、手順や方法で行われます。
また、仕事をしているときは、様々な状況を見たり、聞いたりして、正常に仕事ができているか確認しています。
設備から、ガラガラと異音などがすれば、おかしいと判断し、設備の確認をします。
このように、仕事では、作業手順書や作業指示伝票に規定された通りにできている状態のときがあり、異音などがせず、いつもと変わらない状態のときがあります。

その一方で、何らかの理由で、作業手順書で規定された手順や方法通りに作業できないときもあり、ガラガラと、いつもはしない異音が発生し、何かおかしいと思えるときもあります。
この異なる状況で作られた品物は、品質状態に差があると考えられて、区別します。

規定通り、「いつもどおり」の仕事の状態から生み出されたモノを、正常品と言います。
規定とは違う状態、いつもとは違う状態の仕事から生み出されたモノを、異常品と言います。

異常品は、規定とは違う、いつもとは違う状態で作られていますが、だからといって図面や検査基準書の品質を満たしていないとは限りません。
しかし、不適合品である可能性は高いので、不適合品と同様の識別、取り扱い、処置管理をしなければなりません。
 

製品・部品・原材料の原単位と品質状態の関係

製品・部品・原材料の原単位と品質状態の定義の説明図

製品や部品、原材料は、作ったり、運んだりするときの単位があります。
何個ずつ作るのか、何個まとめて運ぶのかという単位で、この単位のことを原単位と言います。

原単位が1個のモノは、個品と言います。1個単位で作ったり、運んだりします。
原単位が2個以上のモノを、ロットと言います。2個以上の決められた数で作ったり、運んだりします。

品質の状態を識別したり、管理したりする場合、個品に対する品質状態と、ロットに対する品質状態を分けて考える必要があります。

個品の場合は、適合品、不適合品といった4つの品質の状態のいずれか1つに当てはまります。
しかし、ロットの場合は、適合品の中に不適合品が紛れ込むなど、4つの品質の状態のモノが混在することがあるのです。
そこで、ロットの場合は、ロットの中に1つでも異常品が入っていれば、ロット全体を異常品として扱い、処置します。
さらに、1つでも不適合品が入っていれば、ロット全体を不適合品として扱います。

ロットは、ルールによって決められた数があります。
しかし、ものづくりの現場では、決められた数になる前の状態のモノもあります。
作っている途中の状態のモノです。この状態のモノを仕掛品と言います。

通常、仕掛品の品質状態は、正常品しかありませんが、何らかのトラブルなどによって、異常品や不適合品の状態となるモノが生まれます。
ちなみに、仕掛品は、作っている途中のモノですから、適合品の状態のものはありません。

不適合品を誤って、顧客に出荷してしまったなどの品質問題は、この仕掛品における品質状態の識別や管理のまずさが原因であることが少なくありません。
仕掛品における品質状態の識別・管理は特に注意しましょう。
 

4つの品質状態の識別と隔離の必要性

4つの品質状態の識別と隔離の必要性の説明図

4つの品質状態のうち、適合品とそれ以外では、厳格に分けて識別して取り扱いをしなければなりません。
それは、適合品は出荷できるモノですが、それ以外のものは出荷してはいけないモノだからです。
適合品だけを顧客に届けることを確実にするために、品質状態の識別や取り扱いの管理を行うのです。

正常品は、まだ完成していない仕掛品であったり、検査などによって、適合品であることが保証できていない状態にあるモノですから、出荷することはできません。

異常品は、不適合品が含まれている可能性の高いモノです。
異常品、不適合品は、誤って顧客に提供されると、問題を引き起こし、場合によっては顧客の人命や財産を脅かす可能性があるモノです。
絶対に出荷されないようにしなければなりません。

出荷場での識別と隔離

出荷場の識別と隔離の事例説明

出荷場は、顧客に製品などを出荷する特別な場所です。
出荷場には、4つの品質状態のうち、適合品だけが入ることが許されます。

それ以外の正常品、異常品、不適合品を出荷場に入れてはいけません。
不適合品を誤って出荷してしまう問題の最大の原因は、適合品以外の品質状態のモノを出荷場に入れてしまうことにあります。

出荷場では、識別と隔離を徹底し、適合品のみを入れ、扱うようにしましょう。
万一、荷崩れなどによって、異常品や不適合品が生まれたときは、該当のモノを、直ちに識別し、出荷エリアの外に運び出して、隔離しましょう。
一時的でも、出荷場内に異常品や不適合品を保管してはいけません。

職場内とライン内での識別と隔離

職場内とライン内の識別の事例説明

職場内やライン内にある作業途中の仕掛品は、すべて、正常品しかない状態にしましょう。
この原則を徹底することで、誤って不適合品や異常品を出荷してしまう問題を防止できます。

完成し、規定の検査を終えた適合品は、すぐに適合品置き場に移動し、仕掛品と分けて隔離します。

作業途中や検査において見つかった不適合品や異常品は、直ちに不適合品置き場、異常品置き場に移動し、隔離しましょう。

不適合品置き場、異常品置き場は、置き場に識別表示をして、不適合品、異常品が置かれていることがひと目でわかるようにします。
赤や黄色などの警告や注意を訴える色などを使って、不適合品や異常品を扱っていることを強く意識させるようにしましょう。
入れ物にも識別表示をして、間違って持って行かれないようにします。
置き場や入れ物などによって識別表示が不十分な場合は、現品に赤札などによって識別表示を確実にします。
不適合品を検査や選別での判定サンプルとして使うような場合は、適合品の中に紛れてもひと目でわかるように、ペンキなどを塗ります。
誤って使われないように一部を破壊することもあります。

職場内とライン内での隔離の事例説明図

不適合品置き場、異常品置き場は、適合品置き場と離れた場所にして、適合品から隔離します。
これら、置き場、表示などによって、不適合品と異常品の識別と隔離を徹底しましょう。
不適合品置き場、異常品置き場にある品物は、管理責任者の許可無く、持ち出したり、移動したりしてはいけません。
数量や内容を確認する場合は、不適合品置き場、異常品置き場の中で行いましょう。
 

不適合品の処置の仕方

不適合品の処置の違いと関係の説明図

不適合品が発生した場合、その内容に応じて処置が行われます。

手直しは、図面や検査基準で規定された品質を満たすように直す処置です。
手直しされ、規定の検査などをパスすれば、適合品として扱うことができます。

修理は、図面や検査基準で規定された品質を満たすことはできないけれど、使用上、問題ない状態に修理する処置です。

再格付けは、グレードや用途を変更する処置です。例えば、割れや欠けのある煎餅をワレ煎餅として安く売るというようなことです。

特別採用は、図面や検査基準で規定された品質を満たさない状態のものを特別に採用する処置です。
修理や再格付けの場合も、特別採用という扱いになります。
特別採用の場合は、提供先の顧客の承認が必要となります。
法律または認可基準に基づいて提供される製品の場合は、規制当局または認証機関の承認が必要となります。

廃棄は、廃棄処分とする処置です。
廃棄する場合は、間違って使われることを防止するために、破壊して廃棄したりします。

不適合品の接別と評価の事例説明図

不適合品がロットや仕掛品の場合は、適合品の中に不適合品が混在していますので、選別をして、適合品と不適合品に仕分けます。
選別は、決められた検査や確認手順と同等の方法で行い、権限のある人の判定によって適合品と不適合品の仕分けを決定します。

品質管理の動画学習>7日間無料
品質管理の動画学習イメージ

動画で学ぶ
不適合と異常の識別管理方法

不適合品・異常品の識別と管理方法を解説
不適合・異常品の識別方法を事例で説明
ガイド・テンプレートもダウンロード可
300以上の学習動画が定額見放題
もっと見る


【この記事を書いた人:

    品質管理についての研修・診断コンサルティングの無料相談・お問い合わせ
    お電話でのご相談は、052-747-5772まで、お気軽にお電話ください。メールでのご相談は、24時間こちらのメールフォームからお問い合わせください。

関連記事

MTOアプリ&コンサル

Udmey公開:クーポン配付中

定額動画学習

ブログをメールで購読

メールアドレスを記入して購読すれば、更新をメールで受信できます。

42人の購読者に加わりましょう

最近の記事

ページ上部へ戻る