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課題・問題発見のフレームワーク~13の方法とツール

問題発見のイメージ

的を射た仕事の課題・問題を見つける方法を事例で解説

問題解決のスタートは、問題発見です。問題発見力を高めるためには、多面的かつ論理的に整理し、事実に基づいて裏付けをとり信憑性を高めることが必要です。ここでは、的を射た問題解決のための問題を見つける13の方法・しかけを事例ともに紹介します。

 <目次>
経営視点で業務課題を洗い出す方法
コストにおける課題・問題を明らかにする方法
間接業務のコストの適正性課題・問題を明確にする方法
見えない課題・問題に気づく方法
仕事の成否を左右する課題・問題に気づく方法
課題・問題の客観性を高める方法
自分たち固有の課題・問題に気づく方法
的外れな課題・問題を排除する方法
実現性の高い課題・問題を設定する方法
課題・問題の網羅性を高める方法
成果の高い課題・問題を設定する方法
課題・問題の信憑性を高める方法
課題・問題の解決方向が明確になる方法

経営視点で業務課題を洗い出す方法

「業務課題は何ですか?」と聞かれたとき、どのようなことが思い浮かぶでしょうか。
やりにくい点や困っている点といった、今の仕事で結果を出すために必要なこと、スムーズに効率よく行うために必要なことを列挙してしまう人は、経営視点で業務課題の洗い出しができているとは言えません。
経営視点で考えるとは、1年~3年後の業務のあり方を考えるということで、市場の変化に取り残されず、競合に打ち勝つために業務をどのように変えていかなければならないかを考えることです。

収益性・成長性・生産性に分けて見ると課題が浮かび上がる

経営の3つ視点の問題発見事例

経営視点は、収益性、成長性、生産性3つの視点で考えます。
具体的には、3つの視点の会計指標を使って、自分たちのレベルを業界平均などと比較して、強み、弱みを分析して課題を洗い出します。

①収益性視点

収益性は、回転率と損益分岐点で考えます。回転率は、少ない資産(設備や在庫)で多くの利益を出せているかという視点で見るものです。損益分岐点は、利益体質を表すもので、少ない売上でも利益を出せるかという視点で見ます。

②成長性視点

成長性は、売上や利益の伸び代を見るものです。

③生産性視点

設備や人が単位あたり、どれだけの付加価値を生み出しているかを見るもので、価値を生み出す力が高いか否かを見るものです。

コストにおける課題・問題を明らかにする方法

仕事のかかるコストの課題を見つけるためには、ムダなコストがどこで発生しているかを知らなければなりません。
コストは主に材料費、労務費、経費に分類でき、さらに詳細の項目へと分けることができます。
詳細項目に分解することで、その項目ごとの具体的なムダ=ロスを洗い出しやすくなります。

コストはロスで見ると課題が浮かび上がる

16大ロス視点での問題発見の事例

生産活動の効率化改善において改善点を見出す視点として「16大ロス」というものがあります。
16の視点で自分たちの活動を見て、ロス(ムダ)を洗い出すものです。
この16大ロスの視点でコストの詳細項目ごとに、ムダな活動を洗い出していくことで体型的かつ網羅的にロスとなるコストとその原因がわかるようになります。
ロスコストツリー・マトリックス分析シートは、詳細コスト項目と16大ロスの関連性を表したものです。
16大ロス読み替え表は、生産向けの16大ロスをオフィス業務向けに置き換えたものです。
この置き換え表で見ることで、生産活動以外の仕事におけるロス視点でコスト課題を洗い出すことができます。

間接業務のコストの適正性課題・問題を明確にする方法

間接業務などの効率化改善の一つに異なる商品の共通的仕事を集約して一括処理するという方法があります。
効率化という点では、効果のある方法ですが、一方で、隠れ赤字業務を野放しにしてしまうという怖さがあります。
例えば、異なる商品の出荷業務を集約・一括処理しているとき、出荷処理業務の総コストは、異なる商品の出荷処理にかかるコストの合計で管理されます。
出荷額との割合を算出して、管理費としての適切性が確認されます。
しかし、これは全体の合計同士の比較となり、本来、商品ごとに異なるはずの管理費割合は平均化されてしまいます。
このとき管理費が多くかかる商品のコストを管理費の少ない商品が補填していることが知らないうちにされてしまうのです。
つまり、赤字商品を黒字商品の利益で補填するということになるのです。
怖いのは何らかの理由で、赤字商品の割合が増えてきたとき、急激に赤字が進むということです。

業務を活動基準でコストを測定すると課題がわかる

ABC手法での問題発見の事例

このような間接業務に潜む隠れ赤字リスクを見える化し、集約一括処理している業務のコストの適正性課題を洗い出す方法の一つがABC(活動基準原価)計算です。
間接業務など集約一括処理している業務を活動単位で分解し、作業時間から作業コストを算出し、商品ごとの管理費の構成割合を算出し、適正性を評価する方法です。

見えない課題・問題に気づく方法

データ量が多いとき、平均値を求めてそのデータの全体像をつかもうとすることは多いのでしょうか。
例えば、ある仕事にかかる時間を調べたとき、その仕事に必要な時間はどのくらいかと知りたくなって、平均値を算出します。
1週間調べたときは毎日の平均値の推移をグラフにします。
では、ここから何がわかるのでしょうか。

工数はバラツキで見ると見えない課題が見える

バラツキ視点での問題発見の事例

このデータを最大最小でグラフにしてみると見えなかった課題が見えてきます。
事例では、月曜日と金曜日に最大最小の幅が大きいことがわかります。
月曜日は、週の初めということから追加変更などが多く入り、そのために時間が多くかかる仕事が含まれています。
金曜日は、ミスが多く発生して時間がかかっていました。
では、なぜ、平均値にすると月曜日と金曜日は他の曜日とあまり変わらない時間になったのでしょうか。
それは1日8時間という勤務時間の制約があるからです。
多く時間のかかる仕事が入ってくると8時間に収めるために他の仕事時間を短くして、1日にやらなければならない仕事をやりきろうとするからです。
結果として平均値は他の曜日と同じなるのです。
このように平均値は、様々な理由から、揃えられてしまうことが少なくありません。
データを見るときは、平均値ではなく、バラツキで見ることで見えない課題が見えるようになります。

仕事の成否を左右する課題・問題に気づく方法

仕事の出来栄えを確認するためにチェックシートでチェックすることはよくあるのではないでしょうか。
チェックシートは、記録用と調査用のものがあり、記録用は管理のために使うものと、証跡を残すために使うものがあります。
出来栄えを確認してチェックシートに記録を残しただけでは、確認した証跡を残したことにしか過ぎません。
確認結果から課題を導きしだしてアクションすることで、仕事は成功に向けて前進します。
しかし、チェック結果を分析すれば有効な課題を洗い出せるといものではありません。

結果でなく途中でチェックすると課題が見える

途中チェックでの問題発見ツールの事例

仕事の最後に行う完了チェックでは、すべてが終わった後の確認ですから、仕事の成否は確定し、後の祭り状態です。
仕事の成否の確定前、まだ間に合う段階で課題を洗い出して、処置することで、仕事を成功に導くことができます。
仕事を成功に導くことに有効なタイミングで課題に気づくためのチェックは、以下の2点を考慮しなければいけません。

①結果ではなく行動をチェックする

チェックの対象を完了結果ではなく、結果を生み出す行動の適切性をチェックします。
特に計画時、段取り時のチェックに重点を置きます。

②チェック行動から課題を引き出す

チェックは、確認しやすい項目にせず、チェックすべきことを厳密に確認する項目にします。
チェックできない、難しいといった場合は、自分たちの仕事の良し悪しを確認する術がないまま仕事をしていることでもあります。
確認手段をもって仕事に臨むようにさせます。

課題・問題の客観性を高める方法

仕事の課題をどのように洗い出しているか考えたことはありますか。
経験に依存し、主観的な見方で課題を選んでいる人は少なくありません。
主観的に課題を選んでしまう原因は、過去の成功または失敗経験にあります。
特に、成功経験は選ぶことに強く影響するため、致命的な課題の選択ミスを引き起こします。
また、成功経験に従って仕事を成功させる経験を繰り返している場合は、呪縛のように成功経験を元にした選択しかできなくなってしまいます。
仕事で成功していた人がある時から失敗ばかりするようになったというのはこの呪縛に陥っているのです。
環境や競合が大きく変わったとき、時代の変化についていけない人や組織が多く現れる理由の一つです。

問題を数値で表現すると客観性ある課題が設定できる

データによる問題発見の事例

経験に左右されず、客観的に課題を洗い出すためには、徹底して数値で見て、考えるということです。
対象となる仕事の事象を2つの観点の数値で評価し、他の事例や基準と比較して課題を導き出します。

①数量で表す

ボリュームや割合などの数値を使って表してみます。
どの程度の大きさがあるのか、どの程度の割合を占めているのかを数値で見ることで課題の本質や所在が見えてきます。

②事象で表す

イレギュラーな出来事をカウントしてみます。
異常がどの程度起きているのか、リスクがどのくらいあるかの数値で見ることで、脆弱性の課題が見えてきます。

自分たち固有の課題・問題に気づく方法

他の人や他社ではできていることが自分たちはうまくできないということがあります。
人にも組織にも得手不得手があり、癖があります。
自分たちの固有の得手不得手や癖が仕事の成否を左右する課題であることが少なくありません。
得手不得手・癖は、固有の問題行動として表れます。

プロセスの問題行動を洗い出すと自分たちの課題が見える

問題行動からの問題発見のツールと事例

仕事に広く影響する問題行動とその影響度合いを評価することで、自分たちの得手不得手・癖が元となる固有の課題を洗い出すことができます。
プロセスと問題行動の関係性と影響度合いを整理するプロセス✕問題行動マトリックスなどを使い整理してみましょう。
解決したい問題を抱えている仕事のプロセスを横軸に置き、縦軸に問題行動を仮定して並べて、プロセスと問題行動の関連性を評価します。
問題行動は、仕事において、実際に問題となっていることを可能な限り列挙しきます。
点数で評価することで関連するプロセスが多く、合計点が大きい問題行動が仕事に広く影響していることがわかります。
解決の優先度が高いのは、プロセスの最上流における問題行動となります。
最上流の問題行動を解決すると以降のプロセスでの問題も減少していきます。

的外れな課題・問題を排除する方法

的外れな課題を選択すれば、仕事の成功はありません。
課題の洗い出しは、様々な手法を駆使して、論理的に設定しているのであれば、的外れはないと思えます。
しかし、机上での論理は、あくまでも推定であり、前提条件下では正解であっても、前提条件が変われば崩れてしまう論理でもあります。

事実と相関で見ると的外れ課題を排除できる

事実相関から問題発見をするツールの事例

課題選択を間違いないものにするためには、問題が仕事の成否に影響していること、その問題が事実として発生していることをデータで裏付けることが重要です。
仕事の成功を阻む問題を事実として起きている事柄に分解して、必要に応じて裏付け調査や実験を行い、データで確認をします。
問題は、「本当か?」「どの程度」「発生割合」という視点で整理し、事実として起きている事柄を仮定して、調査や実験をして裏付けを取ります。
また、問題に対して、「その問題が本当に仕事の成否に影響しているのか」という点で、問題と仕事の成否との相関性についても裏付け調査・実験などで確認を取ります。
データは、裏付けを肯定するデータと否定するデータの両面のデータを取得して評価します。
肯定または否定のどちらか一方のデータだけでは、肯定または否定に優位なデータだけを取得するリスクがあるので、両面のデータを用意します。

実現性の高い課題・問題を設定する方法

実際には役に立たないもの、実現する見込みのないものを意味する「絵に描いた餅」ということわざがありますが、課題が絵に描いた餅では、困ります。
課題設定では、実現後のめざす姿ばかりに目が行きがちで、対策先行型の課題になりやすいものです。
対策先行型では、「やらなければならない」という対策立案となり、自分たちの力量を無視したものとなったり、対策が目的化して問題解決に役に立たないものとなったりすることがあります。

Before/Afterで比較すると力量に合った課題設定ができる

シナリオからの問題発見のツール事例

自分たちに役に立ち、実現性のある課題を設定するには、めざす姿だけでなく、現状の姿も把握し、そのギャップを埋めるための課題設定をするようにします。
まず、めざす姿の実現に向けての取り組みのシナリオを立てます。
最終段階のめざす姿では、現状との具体的な比較がしにくいので、取り組みのシナリオを立てることで、現状との比較をしやすくします。
次にシナリオごとのめざす姿と現状の姿をBefore/Afterとして比較できるように並べて列挙していきます。
このBefore/Afterの間にあるギャップを課題として設定すると自分たちにとって効果があり、力量に見合った実現性のある課題を洗い出すことができます。

課題・問題の網羅性を高める方法

仕事の課題は何ですかと質問すると、いつも、人に関連した課題をあげる人、設備の課題を上げる人がいるように、人によって課題が偏るということはよくあります。
自分の担当領域や過去の経験から、気になることを課題にあげてしまうのです。
専門性という点ではいいのですが、偏った課題設定は、重要な領域の課題がすっぽり抜けてしまうというリスクがあります。
また、概念や考え方の域を出ず、具体性のない課題を上げる人もいます。
経験のないことは課題を具体化できず、概念や考え方止まりとなってしまうのです。

4MIで見ると課題の具体性・網羅性が高まる

4MI視点での問題発見の事例

課題の洗い出しでは、偏りがなく網羅的であること、解決策につながる具体性があることが求められます。
網羅性と具体性のある課題の洗い出しは、4MI視点で行いましょう。
4Mとは、「人」「設備」「方法」「モノ(製品)」を英語に表したときの頭文字をとって4Mといいます。
仕事に必要な4要素として広く知られているものです。
Iは情報の頭文字です。情報は仕事を管理するときに不可欠な要素です。
この5つの要素から多角的に課題を考えることで、課題の網羅性が高まります。
また、要素単位で課題を洗い出すことから、仕事に直接関わる事象をイメージすることができ、具体性も高まります。

成果の高い課題・問題を設定する方法

仕事は、計画して、実施して、確認するという流れで行うものと誰もが思っています。
確認して良ければ終わり、悪ければ処置するというもので、計画に対して計画通り完了することがゴールという考え方です。
これを課題解決に置き換えてみると課題に対する対策計画を立てて、対策したら終わりということになります。
これはPDCAの功罪とも言えるもので、その反省からPDCAの考え方を見直す流れも生まれつつあります。
この考え方の根底にある問題は、計画(課題)は正しいという前提の上に成り立っていますが、しばしば、計画(課題)が間違っていることの方が多いので、このような考え方では仕事は成功しないのです。
ではどうすればいいのでしょうか。

課題は試行を繰り返して育てると成果が高まる

試行による問題精度を高める事例

答えは、「計画(課題)は間違っている」という前提で考えるようにすることです。
具体的には、課題設定をゴールとする取り組みです。
PDCAをDCAPで進めて、Pをゴールにするというものです。
立てて課題を仮の課題として、試行方法を検討し、試行し、試行結果から借りの課題の証明や実践からの真の課題抽出を行う取り組みにするのです。
試行では、「人」「設備」「方法」「モノ(製品)」の仕事の4要素=4Mと情報に分けて、課題と試行方法を検討します。
4Mと情報に分解することで、他の要素の影響を少なくし、仮課題の証明や真課題の抽出の精度を高めることができます。

課題・問題の信憑性を高める方法

課題解決は先行投資です。その課題が解決できれば、仕事は成功すると信じて、お金と時間を先に投入しています。
仕事の成功に寄与しない課題であったら、使ったお金と時間はムダとなります。
当然、仕事の成功につながるか信憑性のない課題にお金も時間も投入できません。
100%の信憑性を求めることはできませんが、成功につながる課題の割合は高めなければなりません。

検証シミュレーションできる課題は信憑性が高い

シミュレーションで問題の信憑性を高める事例

課題の信憑性を高めるためには、その課題が仕事の成否に関わるものか検証をします。
実際の仕事で検証できることが最も望ましいのですが、多くの場合、実務での検証は難しいものとなります。
そこで、実務に近い状態をシミュレーションで再現して検証します。
課題が本当に仕事の成否に影響するか検証するためのシミュレーションプランを作成してみましょう。
ほとんどのケースの場合、シミュケーションプランが作成できるか否かで、検証できてしまい、実際にシミュレーションまで進みません。
シミュレーションプランが作成できない課題とは、仕事の成否に影響するロジックが明確にできていないものです。
つまり、どのように影響するかわからないまま課題に選ばれているものです。
シミュレーションプランが作成できる課題は、仕事の成否への影響ロジックが明確で、十分に信憑性あると判断できます。
あえて、シミュレーションする工数を使うまでもなく、すぐに課題解決に着手した方がいいと判断できるものです。

課題・問題の解決方向が明確になる方法

営業などの仕事では、顧客ごとに異なる一連のプロセスを経て成約に至ります。
例えば、製品展示会で知り合い、訪問して提案する場合もあれば、広告から資料請求があり、訪問する場合、資料請求からいきなり受注する場合など、成約に至るプロセスは顧客によって異なります。
顧客毎に提供するサービスが異なるカスタムサービスの仕事でも同様に顧客ごとに異なる一連のプロセスを経てサービス提供が完了します。
このような仕事では、顧客ごとにプロセスが異なるため、どこのプロセスにどのような課題があるかは、プロセス単体を分析していても見えてきません。

プロセスパフォーマンスを見える化すると課題がわかる

プロセスパフォーマンスを評価して問題を発見する事例

課題を見出すためには、プロセスとプロセスのつながりがスムーズか否かという点で課題を洗い出します。
プロセスに何らかの問題をもっているときは、プロセス間の流れが滞ります。
この滞りを見つけ出すことで、課題となるプロセスを特定することができるのです。
具体的には、プロセスのつながりを図示化して、プロセス間の通過数と通過割合をカウントするプロセス・パフォーマンスチャートを作成して、通過数の多い動線、通過率の低い動線を見つけ出して、オーダーやサービスの通過を滞らせているプロセスを特定します。
また、想定外の動線がある場合、その動線を活性化させたり、流れをスムーズにするための手立てがプロセスで処置されているかなども確認します。

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