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ムダとり改善とは~成功のポイントと効果について

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改善の図

ムダとり改善の最大の特徴はやめる改善で価値を探求する改善

トヨタ生産方式におけるムダとり改善とは、どのようなものでしょうか。
ムダとり改善は、効率化改善のように仕事を早く処理するという考え方をしません。
ムダをみつけて取り除く改善です。効率化改善と同じように思えるかもしれませんが、最大との特徴は「やめる改善」で、「価値を探求する改善」です。
ムダとり改善について、その特徴と効果を説明します。

<目次>
 ・ムダとり改善は正味作業の割合を高める改善
 ・ムリ・ムラを取り潜在的なムダを取る
 ・ムダをあぶり出して取り除く
 ・ムダと決めつけて取り除く
 ・より価値の高い仕事へ

ムダとり改善は正味作業の割合を高める改善

ムダとり改善は、どのような改善なのでしょうか?
まず、作業を、正味作業と、非正味作業に分けます。

ムダとり改善で正味作業の割合を高める図表

正味作業は、一言でいうと付加価値のある仕事です。
顧客に対して、直接的に価値を提供している本業としての仕事、本業の品質・コスト・納期を直接左右する影響力の大きい支援的な仕事、遵法性、社会性に関わる仕事です。
例えば、加工現場の組み付け作業、営業での顧客へのヒアリング、提案書作成、商品企画、設計、評価、サポートデスク、契約書作成、締結、請求、支払いなどがあります。

非正味作業は、一言でいうと、付加価値のない仕事です。
組織運営上必要なコミュニケーション、監視、管理の仕事、管理のまずさやミスなどから発生した付帯的な仕事またはフォロー仕事、慣例による仕事です。
例えば、部品を取りに行く作業、工具を探す作業、ヒアリング結果の報告会、提案書の検討会議、提案書や企画書の修正、やり直し、契約書の変更、過払い処理などがあります。

ムダとり改善では、作業を正味作業と非正味作業に分けます。
ムダは、正味にも非正味にもありますが、非正味作業のムダを優先して取ります。
非正味作業は顧客にとって価値のない、または、価値の低い作業ですからやめても顧客に何かしらの損害を与えてしまうリスクは低いです。
一方、正味作業は顧客に直接価値を提供しているので、その作業をやめたときに問題が発生する可能性が大きいのです。
ですから、非正味作業のムダを優先します。
また、実際に、非正味作業と正味作業の割合を見てみると、1日の労働時間に占める割合は非正味作業のほうが多いのです。
非正味作業のムダとり改善だけで生産性が30%~50%上がった事例も多くあります。
まずは、非正味作業から行います。
そして、ムダとりした時間枠分を正味作業の時間に充てます。
1日の労働時間における正味作業の時間の割合を高めます。

ムダとり改善は、すぐに気づくムダや考えて出てくるムダを取るだけではありません。
見えないムダ、気がつかないムダを取り除きます。
特に、顧客のムダは、何もしなければ気づくことはできません。
ですから、ムダ取り改善のアプローチでは次のような特徴があります。
 ・ムリ・ムラを取り潜在的なムダを取る
 ・ムダをあぶり出して取り除く
 ・ムダと決めつけて取り除く
それでは、それぞれについて説明します。

ムリ・ムラを取り潜在的なムダを取る

仕事のムリ・ムラの図

まず、仕事のムリ、ムラはどのようにおきるのか考えてみましょう。
仕事の処理能力と仕事の依頼の処理要求の関係から、ムリ、ムラは発生します。
処理能力は、社員の人数や設備などによって決まります。
通常は、一定であり、大きく変動するものではありません。
仕事の処理要求は、その時々によって質も量も変動します。
顧客からの要求は、自分たちで要求される量をコントロールすることはできません。
処理能力に対して、処理要求が多い場合が、過負荷となり、ムリな状態となります。
逆に、処理能力よりも処理要求が少ない場合は、能力余剰となります。
この能力と要求の差が、日によって、時間によってばらついている状態がムラです。
この例は、時間の経過の中でのムリ、ムラですが、人やプロセス、設備の間にもムリ、ムラは存在します。

人のムリ・ムラの図

人の例で考えてみましょう。
人の能力は、人によって差があります。
新人やベテランの間に差があるのは当然です。
各担当に依頼されている仕事の処理要求にも差があります。
担当の範囲やその仕事の繁忙の程度などによって差が発生します。
この差のある能力と要求の組合せによって、処理能力よりも処理要求が少ない場合は、能力余剰となります。
処理能力に対して、処理要求が多い場合が過負荷となり、ムリな状態となります。
そして、能力余剰と過負荷の状態が同時にある状態がムラです。
仕事の中のムリ、ムラに着目して、それを取ることが仕事の中に潜むムダを取ることにつながります。

ムダをあぶり出して取り除く

ムダをあぶり出す図

ムダをあぶり出すとは、人員や時間などに制約を設けて、タイトな状況で仕事を行うことで、強制的にムダな作業が現れるようにすることです。
例えば、今まで10時間で行っている仕事があるとします。
これを、9時間で行うという、強い制約条件を設定します。
強い制約条件を設定することで、今のままでは仕事を行えない状況をつくり、やめることのできる作業、言い換えれば、ムダを明らかにして、その作業をやめます。
ただし、制約条件を設定しても、顧客に対する品質やサービスレベルは下げません。

ムダと決めつけて取り除く

ムダを決める図

ムダを決めるとは、自分たちの行っている作業を顧客の価値という視点で評価し、価値のない作業、あるいは、価値の低い作業を指定し改善する対象を明確にすることです。
まず、組織において行っている作業を洗い出します。
また、実際に仕事を行っていく中で抽出されていない作業を見つけて付加します。
そして、洗い出した作業の目的を確認します。
何のために、その作業を行っているのかを確認します。
作業の目的が曖昧なものや不明なものは、そもそもムダな作業で、やめることができるものかもしれません。
次に、顧客に提供するべき価値を基準として、抽出した作業を価値の高いものと低いものに分類します。
実際に作業を価値の高いものと低いものに分けていくことは、簡単ではありません。
そこで、すべての作業を分類しようとせず、まずは、明らかに価値の低い作業とそうでない作業に分類していきます。
次に、価値のない作業、あるいは、明らかに価値が低い作業をムダな作業と決めます。
そして、それをやめる改善を行います。

より価値の高い仕事へ

仕事の価値を高める図

ムダを取ることができれば、会社の競争力は上がるのでしょうか?
いいえ。ムダを取っても、顧客に選んでもらうことはできません。
顧客に選んでもらうためには、顧客にとって価値の高い魅力的な商品やサービスを提案・提供しなければなりません。
正味作業の中にも、顧客にとって価値のない、あるいは、低いものがあります。
その顧客にとって価値のない作業を、価値のある作業に変えていくことが必要です。
変えるためには、価値のない作業をやめて、新たに価値のある作業を始めるか、価値を生み出すようにしましょう。

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