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派遣社員のキャリア形成支援制度とは~構築の進め方とマニュアル・事例

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キャリア形成

キャリア形成支援制度の3つのキャリア形成方法

1.キャリア形成のためのキャリアコンサルティング
2.キャリア形成を念頭においた派遣先の紹介及び調整
3.キャリア形成に資する教育訓練
これら3つの方法でのキャリア支援を行うための制度(仕組み)とはどのようなものか?
構築のポイントは?について解説します。

派遣社員のキャリアアップに資する教育訓練は仕事塾Light
キャリア形成支援制度マニュアル(無料)提供中改正派遣法対応のキャリア形成支援マニュアルダウンロード

管理責任者と主管部門

キャリア形成支援の総括管理を行う管理責任者を定めます。派遣元責任者がいいでしょう。
キャリア形成のためのキャリアコンサルティング、キャリア形成を念頭においた派遣先の紹介及び調整、キャリア形成に資する教育訓練の主管部門を定めます。

キャリア形成の総括管理

改正派遣法では、派遣労働者のキャリア形成を念頭に置いた派遣先の提供のための事務手引、マニュアル等を整備することを求めています。
そのために、派遣会社は、キャリア形成支援マニュアルを整備する必要があります。

◆キャリア形成支援マニュアルの作成と発行

キャリア形成支援制度をルール化したキャリア形成支援マニュアルを作成し発行します。
定期的な見直し改定も必要です。

◆キャリア形成支援業務の実施管理

主管部門の責任者は、マニュアルで規定された手順通りにキャリア形成支援業務を実施します。
キャリア形成支援業務の管理責任者は、各主管部門にキャリア形成支援業務の実施状況を定期的に報告させ、規定通りに支援業務が行われていることを管理します。問題がある場合は、改善を指示します。

◆キャリア形成支援の周知と啓蒙

派遣社員に対して、当社が行うキャリア形成支援の内容を周知します。
キャリア形成に向けた取り組みを自らも行うことも啓蒙します。
周知啓蒙方法は以下の方法があります。
・派遣社員向け電子掲示板
・入職時に配布する説明資料
・営業担当との面談時の説明
・キャリアコンサルティング

キャリアコンサルティング

◆キャリアコンサルティングの相談員の資格

キャリア形成支援のためのキャリアコンサルティングを行うキャリア相談員の資格要件のいずれかを満たすものとなります。
・キャリアコンサルタントの国家資格を有する者
・派遣社員へのキャリアコンサルティング(キャリア相談)経験が一定(例:10回)以上ある者
・派遣先(顧客)と派遣社員のキャリア形成を念頭においた連絡調整を行うことのできる立場(営業担当)にある者

◆キャリア相談員の守秘義務責任

キャリア相談員は、キャリアコンサルティングを通じて知り得た以下の情報を第三者に漏らしてはいけません。
第三者に漏洩しないようにメモや記録の管理を徹底しなければなりません。
・相談者の信条や宗教に関する情報
・相談者の精神面も含めた病歴や現在の疾患病名
・相談者の家族やパートナーの情報
・その他相談者の私生活に関する情報や個人の秘密

◆キャリアコンサルティングの実施方法

キャリアコンサルティングの実施方法には、以下の方法があります。
・eメール(本人のアドレスであることが特定できていなければいけません。)
・電話(本人の電話番号と特定できていなければいけません。)
・面談(第三者に話を聞かれない環境下でなければいけません。)

◆キャリア相談窓口の設置

派遣社員がキャリアコンサルティングを希望したときに申し込みを行うためのキャリア相談窓口を設置します。
キャリア相談窓口は、以下の3つのルートがあります。
・電話窓口
・eラーニングによる申し込み窓口
・営業担当者を通じた申し込み窓口

◆キャリアコンサルティングの受付手順

キャリアコンサルティングの申し込みを受け取ったときの手順は以下の通りです。
1.申し込み受領通知を申込者本人に直接通知する。
2.キャリア相談員を指名し、実施日程の調整をする。

◆キャリアコンサルティングの実施手順

キャリアコンサルティングは、以下の事項の中から必要なものを選択し行います。
1.自己理解の支援(派遣社員自身のスキルや経験に対する客観的見方の支援)
2.仕事の理解の支援(派遣社員の希望する仕事についての情報の提供)
3.キャリア形成のための道筋の違いの認識とキャリアパスの整理の支援
4.キャリア形成のための目標設定と行動計画立案の支援
5.当社がサポートできる範囲の説明とサポートプランの作成

◆キャリアコンサルティング実施の報告

キャリアコンサルティングを実施したキャリア相談員は、実施内容を書面で報告します。
報告書は、派遣社員の離職後3年間保管します。
報告内容は以下の通り
・キャリアコンサルティングの実施日時と方法、場所
・キャリアコンサルティングでの結論
・相談者が立てたキャリア形成の目標とキャリアパス
・当社の行うサポートプラン

◆キャリアコンサルティングの実施後のフォロー

サポートプランの実施状況を確認し、必要に応じて実施を確実にするための指示とフォローを行います。

改正派遣法のキャリアコンサルティング実施手順とマニュアルの案内

キャリア形成を念頭においた派遣先の紹介及び調整

◆キャリア形成を念頭においた派遣先の紹介の手順

派遣社員のキャリア形成に寄与する派遣先及び業務の紹介を以下の手順で行うことに努めます。
1.派遣社員の希望の聞き取り
派遣社員のキャリア形成につながる業種・職種等について、その希望を聞き取ります。
合わせて保有スキル・経験などの情報も聞き取ります。
2.派遣先情報の収集
派遣社員を求めている業種・職種・能力要件等の紹介先情報を収集します。
3.派遣先情報と派遣社員情報のマッチング
派遣先候補の業種・職種等と派遣社員の希望業種・職種等をマッチングします。
保有スキル・経験が派遣先候補の求める能力要件を満たしているか確認します。
4.派遣先候補の会社の紹介
マッチングした派遣先候補の会社と業務について派遣社員へ紹介します。

◆キャリア形成を念頭においた現派遣先の調整の手順

現派遣先における派遣社員のキャリア形成に寄与する業務やポジション等の変更調整、OJT実施の調整について以下の手順で行うことに努めます。
1.派遣社員の希望の聞き取り
派遣社員から希望があった場合、キャリア形成につながる業務・担当等の変更調整、OJT実施の希望を聞き取ります。
2.現派遣先との担当変更・OJT実施の調整
現派遣先の責任者と希望する業務等への変更またはOJTの実施について調整します。
3.調整結果のフィードバック
調整結果は、派遣社員にフィードバックします。

キャリア形成に資する教育訓練

◆キャリアパスと教育訓練について

実務的運用では、派遣社員の標準キャリアパスを設定し、それに基づく教育訓練を行うことを基本とします。
派遣社員個々の背景や条件、希望によって標準キャリアパスと異なる部分については、キャリアコンサルティング、人材アセスメント、その他面談などを通じて明らかにし、それに応じた教育訓練の機会を提供します。
キャリア教育の記事⇒派遣社員のキャリアアップ教育とは~進め方と導入のポイント、事例・費用

◆自主学習の特例

以下の条件がすべて該当する場合、自主学習形式で教育訓練をすることができます。
自主学習とは、通信教育や市販教材を使い派遣社員が自主的に学習するものです。派遣会社としては、教育の実施及び時間が把握できません。派遣社員が学習したことを確実にするためのテストが必要です。
教育時は標準学習時間を定め、その時間をもっと教育時間とします。
・派遣先が派遣会社の事業所拠点より半日(概ね4時間)以上かかる遠隔地にあり、集合研修の日程調整等が困難な場合。
・派遣先でeラーニング受講機器(スマホ・PC等)の持ち込み・保管ができない場合。受講のための通信手段が確保できない場合。
・派遣社員がスマホ、PCなどのe ラーニングの受講機器も持っていない場合。使うのを拒否した場合。

◆標準キャリアパスと教育訓練内容

標準キャリアパスの事例です。
製造系標準キャリアパス
標準キャリアパスに基づいた教育訓練カリキュラムの事例です。
製造系標準教育カリキュラム

◆派遣社員個々のキャリアパスと教育ニーズの明確化

標準キャリアパス・教育カリキュラムと異なる派遣社員個々のキャリアパスと教育ニーズについて、以下のいずれかの方法で明確にし、必要な教育訓練の機会を提供します。
1.キャリアコンサルティング(キャリアコンサルティングの項参照)
キャリアコンサルティングを通じて、個々のキャリアパスと必要な教育内容を明確にし、教育の機会を提供します。
2.人材アセスメント
人材アセスメントツールを使って、派遣社員の強み弱みの分析と必要とする教育訓練テーマの洗い出しを行います。
3.面談による希望聴取
派遣社員の希望する教育テーマ・内容を面談を通じて聞き取り教育の機会を提供します。

◆教育の時期と時間及び費用

以下の表は、教育実施の時期の事例です。
実際の実施時期は派遣社員の保有スキル、経験、希望を加味して決定します。
教育の実施時期と時間
教育の規定時間は、就業形態と入職年数に応じて決めますが、フルタイムで1年以上の就業見込みのある社員は、入職後3年間、年8時間以上の教育時間が必要です。(注:教育はすべての派遣社員に対して行わなければなりません。)
規定した教育時間はすべて有給となります。
有給には、3つの解釈があります。(取り扱い要領では、労働基準法上の労働時間と同等の扱いとされています。)
1.最低労働賃金
2.派遣社員それぞれの時給
3.時間外手当を含めた時給と同じ。
「3」であれば問題ありませんが、「1」「2」については、労働局から指摘を受けることも考えられます。

◆教育訓練の実施手順

以下の手順で派遣社員の教育を計画し、実施管理します。
教育実施のタイミングは、年2回程度の定期教育と必要に応じて行う不定期教育があります。
1.教育計画の立案
教育開始月の1ヶ月前に教育対象者を決定し、教育計画(受講計画・OJT計画)を立案します。
教育計画は、標準キャリアパスに基づいて派遣社員のキャリアステージに該当する教育カリキュラムの教育を計画します。
計画では、以下の点も盛り込み、派遣社員一人ひとりのキャリアアップに資する内容とします。
・キャリアコンサルティングや面談結果及び人材アセスメント結果
・前回までの履修状況
2.教育計画と手順の通知
教育計画(受講計画・OJT計画)は、教育開始前までに本人に通知します。
3.教育の実施(受講開始)
受講計画及び受講手順に従って講座またはOJTを受けます。
4.教育の進捗管理
教育の実施状況を定期的に確認し、遅れや問題が見られる場合は、フォローします。
eラーニング受講進捗管理は、付表1に基づいて行う。
5.教育の記録
実施した教育訓練の記録を派遣社員の離職後3年間保管します。

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