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経営戦略のフレームワークと策定の手順・事例

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経営戦略の策定のイメージ

勝ち残るための全社経営戦略の立案手順

全社経営戦略のフレームワークは戦略基本方針とグループ戦略で構成され展開されていきます。
継続的に採用する戦略上の価値観を基本方針として定め、戦略ドメイン毎の目標や予算の割り付け、投資と資源配分やKPIの設定して戦略立案していきます。
経営戦略の立案手順とそのポイントを事例を交えて紹介します。

 <目次>
経営戦略のフレームワーク
・戦略基本方針とは
・グループ戦略とは
戦略基本方針の立案
・経営理念に即した戦略
・内外環境分析に基づく立案
・3C分析からの戦略基本方針の検討
戦略基本方針の立案手順
・戦略基本方針の拠り所と3C視点での検討
・戦略基本方針の立案
戦略基本方針の3つの方向性
・コスト・リーダーシップ戦略とは
・差別化戦略とは
・集中戦略とは
グループ戦略(全社戦略)の立案手順
・戦略ドメインの設定の手順
・目標及び予算の割り付けの手順
・投資と資源配分の手順
・KPIの設定の手順

経営戦略のフレームワーク

経営戦略は、全社経営戦略である戦略基本方針とグループ戦略を基点として、展開されていきます。

経営戦略のフレームワークの説明図


戦略基本方針とは

戦略基本方針は、経営戦略の立案から遂行において、継続的に採用する戦略上の価値観です。
経営戦略の基軸となるものです。

グループ戦略とは

グループ戦略は、全社戦略と言われるものです。
戦略対象となる事業領域の戦略ドメインの設定を行い、戦略ドメイン毎の目標や予算の割り付け、投資と資源配分やKPIの設定を行うものです。
全社経営戦略は、内部環境、外部環境の分析をもとに、経営理念やビジョンの実現と競争優位性を高め、維持するための方針を明確にします。
 

戦略基本方針の立案

全社経営戦略の基礎となるのが戦略基本方針です。
戦略基本方針は、経営理念に基づいて、内部、外部環境分析の結果を踏まえて立案します。

経営基本方針の説明図


経営理念に即した戦略

経営理念は、企業が創業し、社会に存在するための使命と志を明確にしたモノです。
企業が存続する限り、変わることのない価値観です。
経営者から社員全員が共有し、事業活動の拠り所とするものです。
当然、経営戦略も、この経営理念に即したモノでなければなりません。

内外環境分析に基づく立案

内部、外部環境分析は、企業の置かれている状況を外部と内部の両面から調査分析するモノです。
経営戦略は、自分たちを取り巻く環境に対応したモノでなければなりません。

3C分析からの戦略基本方針の検討

戦略基本方針は、3Cの視点から検討・立案します。

1つ目の「C」は、顧客です。
企業は、顧客に製品やサービスを提供し、対価を得ることで事業が成り立っています。
顧客と、どのように向き合っていくのか、戦略基本方針の中で明確にしなければなりません。

2つ目の「C」は、競合です。
自分たちの扱っている製品やサービスを提供する会社が他に無く、自分たちが唯一無二の会社であれば、競合はいません。
しかし、多くの場合、競合がいます。
品質や価格において、競争関係にある競合先に対して、どのように差別化し、勝ち残るのか、戦略基本方針によって明確にします。

最後は、自社の視点です。
顧客と競合に対する自社のあり方を示します。
自社の持っている強みを活かし、どのように差別化していくか明確にします。
 

戦略基本方針の立案手順

では、戦略基本方針の立案の仕方について説明します。

戦略基本方針の立案の仕方の説明図


戦略基本方針の拠り所と3C視点での検討

戦略基本方針は、経営活動の拠り所となる経営理念に基づき、顧客、競合との関わりかた、そして自社のあり方を明確にするモノです。
顧客、競合及び自社については、外部、内部環境分析に結果によって、客観的に現在の状況を把握した上で、方針を明確にします。

戦略立案は、企業の未来を設計する活動です。当然、これからの未来について仮説を立てることになり、推測や主観に左右されることになります。
ですから、環境分析の結果によって、推測や主観に客観的裏付けを持たせ、個人の経験則だけに依存した仮説とならないようにしなければなりません。

顧客、競合、自社の視点で戦略基本方針を検討しますが、それぞれ単独で捉えるのではなく、相互の関係を踏まえて検討します。
顧客から自社の関係性で考えてみましょう。顧客はどのようなニーズ・期待を求め、どのような視点・基準で自社や競合を選択しているのか検討します。

自社から顧客に対しては、自社のどのような強みを武器として、顧客にどのような価値が提供できるのか。その価値は顧客が価値と感じるモノなのか検討します。

競合から自社の関係を考えてみましょう。
競合は自社をどのように位置づけ、何をしようとしているのか。自社は、競合の仕掛けに対抗できるものを持っているのか検討します。
自社から競合に対しては、自社の強みは、競合に対して差別化できるものかを検討します。

戦略基本方針の立案

経営理念、顧客のニーズ・ウォンツ、競合との相違点・優位性、自社の武器を明確にした上で、戦略基本方針を立案します。

戦略基本方針の事例

自社の武器、つまりコア・コンピタンスは何でしょうか?
顧客へ提供できる価値、競合と差別化できるモノ、という視点で整理しましょう。

顧客のニーズ・ウォンツは何でしょうか?
顧客の求める価値、選択基準が何であるかという視点で検討しましょう。

競合との相違点・優位性は何でしょう?
競合とって弱みであり、自社にとっての強みを明確にします。それは、自社のブランドであると言えます。
競合を無視して自社の強みだけを訴求しても、差別化にはなりません。競合と自社の関係性の中で、相違点・優位性を考えましょう。

顧客、競合、自社が整理できたところで、戦略基本方針を検討します。

戦略基本方針は、そこに示された戦略上のポイントが伝わっていかなければなりません。
事業戦略、機能戦略へと具体化して展開するに従い、戦略基本方針が見えなくなってしまうということは良くあります。
戦略基本方針を確実に伝えていくためには、戦略基本方針をひと言で表す「キーワード」を示すことが重要です。
展開された事業戦略・機能戦略の中でも、この「キーワード」が使われて表現されるようにすることで、戦略基本方針が、伝わっていくことになります。
キーワードの解説を入れることで、戦略基本方針の精神が確実に引き継がれていくことになります。
 

戦略基本方針の3つの方向性

戦略基本方針には、3つの方向性があります。

戦略基本方針の3つの方向性の説明図


コスト・リーダーシップ戦略とは

コスト・リーダーシップ戦略は、自社のもつ高い技術力、調達力など活かして、競合よりも安いコストで製品やサービスを提供する戦略です。
高い技術力や調達力の裏付けがあった上の戦略です。ムリをして安売りするのは、コストリーダーシップ戦略ではありません。

差別化戦略とは

差別化戦略は、際立った特徴のある製品やサービス、マーケティングや流通システムによって、ブランドや顧客ロイヤリティを高め、顧客からの信頼、愛着を獲得する戦略です。
競合他社にはないものを売りとして、高い価格でも正当な価格と顧客から評価を受けるものです。

集中戦略とは

集中戦略は、特定の地域、顧客、製品・サービスなどにターゲットを絞り込む戦略です。
絞り込んだターゲットに対して、コスト優位性を訴求するコスト集中戦略、差別化を訴求する差別化集中戦略などがあります。

顧客、競合、自社の状況、関係性から戦略として向かう方向を明確にします。
 

グループ戦略(全社戦略)の立案手順

グループ戦略のフレームワークと立案手順の説明図

戦略基本方針の次は、グループ戦略です。
グループ戦略は、戦略基本方針に基づくものですが、グループ戦略の影響を受けて戦略基本方針を見直すこともあり、相互に関連づけて立案します。

戦略基本方針とグループ戦略は、全社経営戦略の両輪のようなものです。

戦略ドメインの設定の手順

戦略ドメインの設定事例

グループ戦略では、まず、戦略ドメインを設定します。
戦略ドメインとは、戦略の対象となる事業領域のことです。
どのようなエリア・顧客に対して、どのような製品やサービスを提供して事業を行っていくのか明確にします。
自社の強みを活かして、優位な事業展開ができる領域を選択します。

具体的な戦略ドメインの設定は、事業展開するエリア及び顧客と、展開する事業の製品やサービスの種類、技術分野を、マトリックスで関連づけて整理して検討します。
例えば、
特定の製品やサービスを必要とする単一の事業領域があります。
顧客が求める製品・サービスは明確な領域です。
異なる製品やサービスを組合せることを事業ポートフォリオと言います。
異なる製品やサービスの組合せによって、新たな価値を作り上げることです。
この組合せられた製品やサービスを必要とする複合型・総合型の事業領域もあります。

目標及び予算の割り付けの手順

目標及び予算の割り付けの説明図

戦略ドメインを設定したら、戦略展開によって獲得したい経営上の目標と予算を割り付けます。
売上げや利益の目標、コストの予算を設定します。


戦略ドメイン毎の目標・予算の割り付けをします。
割り付ける目標及び予算は、3つあります。

ボリューム系の予算

最初は、ボリューム系の予算です。
シェアや売上げの目標を設定することです。
会社全体の売上げ、シェアの目標に基づいて、それぞれの戦略ドメインが担うべき売上げ、シェアの目標値の割り付けします。

プロフィット系の予算

次は、プロフィット系の予算です。
営業利益などの事業活動による利益目標を設定することです。
会社全体の利益目標を、それぞれの戦略ドメインの担う範囲を明確にします。
最近は、昔のような成長が見込めない事業環境にあることから、売上げよりも利益を重視した目標設定を行う傾向が強くなっています。
会社によっては、売上げ目標などボリューム系予算は事業部門に任せて、利益目標だけ割り付ける所もあります。

コスト系の予算

最後は、コスト系予算です。
事業活動で必要となるコストの予算額、頻度やタイミングなどを明確にします。
利益目標とセットで設定されるものですが、キャッシュ・フローの点から問題となることがあるため、予算規模の大きいコストは、予算額だけでなく、頻度やタイミングも明確にします

投資と資源配分の手順

投資と資源の配分の説明図

続いて、戦略に伴う投資と資源の配分です。
戦略ドメインの目標達成に必要な投資と資源配分を計画します。
利益を出すために必要な範囲で計画します。

戦略ドメイン毎に、必要とされる投資規模を想定して設定します。
競合の動向や顧客からの要請などに基づいて、投資内容を見積もり、利益目標と照らし合わせて、投資規模を決定します。

戦略ドメインの投資を担当する部門は、設定された投資規模の範囲で投資計画をしなければなりません。

戦略は、制約された中で、いかに結果を出すか、そこに創意工夫が求められます。
その創意工夫の程度が戦略の強さであり、競合との差別化の強さを表します。

KPIの設定の手順

KPIの事例

最後は、KPI(key performance indicator)の設定です。
戦略遂行の適切性をモニターし、評価するためのKPI(重要業績評価指標)を設定します。

KPIとは、重要業績評価指標というもので、戦略ドメインにおいて、戦略遂行の管理のための指標です。
KPIに基づいて戦略展開の継続、変更または拡大、撤退の判断をします。

各戦略ドメインの戦略展開が目標達成に向けて進んでいるかモニターする指標です。

目標とする営業利益を実現するために、ボリューム視点、効率視点で管理指標を設定します。

ボリューム視点では、売上げとコストの状況が見えるようにします。

効率視点では、利益を生む効率性、資産の有効利用性、労働力の生産性の状況を見えるようにします。

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