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課題設定力を高めるための3ステップとツール・事例

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効果ある問題解決のための課題の絞り込みと設定の仕方

問題が大きすぎるとき、複雑すぎるときは、何から手を付けていいかわからなくなります。また、大きいまま、複雑なままでは、原因が多岐にわたり、解決向けた取り組み事項も多く、対応できなくなります。
問題を切り分けて、最も効果の大きい課題だけに絞り込んで解決をはかりましょう。
課題設定力を高める方法をステップごとにツールと事例を交えて紹介します。

 <目次>
課題設定のスタートは問題の切り分け
課題設定の事例の解説
課題設定のステップと役立つツール
Step1:問題発生を事実として認識する
Step2:問題を影響と行動に分けて解決対象を絞り込む
Step3:問題行動を事実で裏付けて課題を設定する

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課題設定のスタートは問題の切り分け

問題を解決しようとしたとき、問題が大きすぎたり、複雑すぎて何から手を付けていいかわかないということがあります。
特に、ビジネス上の課題やシステム・制度に関連した問題・課題は、このような傾向になります。
これらの業務は、プロセスが多段階であったり、複数の機能や仕組みで構成されたりしていて、問題の原因が多岐にわたる上、相互に関連していることから問題が大きくなり、複雑になってしまうのです。

例えば、
物流システムの受託開発を行っているチームが、1年かがりで開発してきたシステムの完成を納期1ヶ月前になって半年遅れると言ってきました。
システム開発の納期遅延問題は昔からよくある話ですが、なかなか解決できない問題でもあります。
納期遅延引き起こす原因は多岐にわたり、それぞれのケースで致命的となった原因は違う上、人によって致命的原因に対する認識が異なることも少なくありません。
システム開発では、仕様はコロコロ変わり、見積もりは常に少なめで慢性的人手不足、人によるスキル差も大きく、テスト段階で問題が続出してその対応に忙殺され開発に集中できないといったことが起きています。
このような状況の中で、悪いことが積もり積もって納期が遅れるのです。
このような状況にあるチームで納期遅延の問題解決に取り組むとき、何から手をつければいいでしょうか。
納期遅延となった致命的に原因を探そうと思っても見つかりません。

このような問題を解決するには、まず、問題を切り分けて小さくし、最も影響の大きい問題を特定した上で対策するようにします。
仕様変更の問題、人手不足の問題、スキル差の問題、トラブル対応の問題に分けます。
問題を小さく切り分けることで原因を特定しやすくなり、対策もしやすくなります。

では、「オフィスの清掃請負サービスの営業の問題」を事例に、どのような道具を使って問題を切り分けて、課題設定いくのか説明します。
 

課題設定の事例の解説

A社は、オフィスの清掃請負サービスのビジネスを行っています。
従来、代理店を通じて顧客と契約してビジネスを展開してきました。
昨年より、インターネット上にサービス紹介サイトを開設して、サイトを通じて引き合いを受け、契約につなげる新たな営業戦略を展開してきましたが、サイトを通じての契約は思うように増えていきません。
この問題の解決をしなければなりません。
この問題は、A社のビジネスのあり方を変えることに関わる問題で、多段階のプロセスから仕事が成り立ち、契約数が増えない原因が多岐にわたることが容易に想定できます。
この事例について、問題を切り分けて、対策すべき課題を特定してみましょう。
 

課題設定のステップと役立つツール

課題設定は、
Step1:問題発生を事実として認識する
Step2:問題を影響と行動に分けて解決対象を絞り込む
Step3:問題行動を事実で裏付けて課題を設定する
の3ステップで行います。
ステップごとの進め方と課題設定に役立つツールを事例を交えて説明します。

Step1:問題発生を事実として認識する

問題事象整理シートの事例

問題を大きく見せたり、複雑にするものの一つが「曖昧」と「想像」です。「曖昧」な部分は、問題を見る人の想像を膨らませたり、複雑にしたりします。この想像が原因分析において、想像の上の想像を繰り広げさせて、原因分析をより複雑なものにします。

まず、問題を実際に起きている数値と事象に分けて整理します。

数値は、業務における成績や傾向を客観的捉えるもので、人の主観を排除して、問題を客観的かつ定量的に評価して、解決しなければならないほど影響の大きいものか否かを判断します。

事象は、業務が異常な状態にあることを捉えるもので、業務が正常に行われないことによる問題の有無とその影響の大きさを評価するものです。

数値についての問題は、数値の大小の視点で考えます。

「サイトを通じての契約が少ない」ということについて、「何が」「どのくらい」少ないのか具体的な内容と数値で明確にします。

「新規」が少ないのか「リピート」が少ないのか、また、「件数」なのか「率」なのか、「何に比べて」少ないのかを明らかにします。
「新規」の「数量」は、「新規契約件数」です。
「新規契約数が少ない」が具体化された問題です。
「新規」の「割合」は、「新規成約率」です。
「新規の成約率が低い」が具体化された問題です

内容(事象)についての問題は、「異常」と「不精」の視点で考えます。
異常とは、前提としていた環境と異なる環境に陥ったり、予定されていた条件や方法などと異なる条件や方法などで業務を行うことを指します。

事例の異常の視点は「キャンセル」です。
「キャンセル率がある」が具体化された問題となります。
不精とは、決められたことが決められたとおり実施されないこと、対応すべき事に対応しないまま放置されていることを指します。
事例の「不精」の視点は、「未対応」「放置」です。
「対応できない」が具体化された問題となります。

問題を事実として認識することで、「事実」と「曖昧な情報や想像」が切り分けられて、「事実」だけで捉えられた実際の大きさの問題として見ることができます。
事例は、従来の方法である「代理店経由の値」と比較することで、問題を事実として認識できるようになりました。
 

Step2:問題を影響と行動に分けて解決対象を絞り込む

問題を事実として捉えたら、次は原因分析・対策のしやすい大きさに分解します。

プロセスと問題行動の整理シートの事例

「サイトを通じての契約が少ない」とは、注文がとれないということです。
「注文」は顧客がすることで、自分たちは顧客が注文してくれるのを待つしかありません。
注文をしてもらえるように、「いろいろな事」を行って、その結果として注文をしてもらえます。
注文してもらえないのは、自分たちが行った「いろいろな事」に問題があったのです。

この「いろいろな事」は、自分たちの行った事、つまり「行動」です。
問題を分解して一つひとつの問題行動として分けて見ることで、小さく、単純化できるようになります。

また、自分たちの行為ですから、原因究明も対策も容易になります。
「サイトを通じての契約が少ない」に対する問題行動は、
「顧客に情報が届けられない」
「潜在顧客を引き寄せられない」
「見込み顧客を識別できない」
「タイミングを逸する(遅れる)」
「相手に伝わる説明ができない」
「見積もりが合わない」
といったものがあげられます。

課題設定の事例

問題行動の中から、影響への関連度の強さ、発生段階などから解決対象とするものを絞り込みます。
事例では、
「潜在顧客が引き寄せられない」の合計点が高く、
最上流プロセスが「サイト公開」ですから、
解決対象の問題行動は、「潜在顧客を引き寄せるサイトをつくれていない」となります。
 

Step3:問題行動を事実で裏付けて課題を設定する

問題行動と事実の相関整理シートの事例

洗い出され、絞り込まれた問題行動は、仮定の域を出ていません。
机上で想定されたものです。

本当にその問題行動は起きているのか、また、その問題行動が問題とする影響を引き起こしているか、事実をもって確認しなければなりません。
実際には、起きていない問題行動や影響していない問題行動に対して解決のための工数を費やすことはムダです。

問題行動の発生の事実、影響との相関の強さを数値でもって測定・評価します。

「潜在顧客を引き寄せるサイトをつくれていない」という問題行動に対して、
「そのサイトは本当に引き寄せられないのか」
「どのくらい引き寄せられないのか(引き寄せている強さはどのくらいか)」
「引き寄せられる顧客の割合は低いのか」
というものが事実に対する測定・評価項目となります。

「潜在顧客を引き寄せるサイトをつくれていない」という問題行動が
「新規の成約率が低く、キャンセル率も高いため新規の契約数が少ない」という影響を引き起こしているかを見るためには、
「サイトに顧客が引き寄せられないことが新規の契約数にどのくらい影響あるのか」という相関関係を測定し評価します。

測定・評価方法も検討します。
例えば、顧客に対するアンケート、サイトの閲覧時間や閲覧行動(複数閲覧)などのデータをとる方法が考えられます。

「本当に発生しているか」という確認項目では、「発生している事実」「発生していない事実」の両面の確認をとる方法を検討します。
発生していることが発生していないことの証明にはなりません。
またはその逆も同じです。
片側のデータで反対側の確認や証明をすると真実が見えなくなることがあるので、必ず両面から確認しましょう。

発生している事実は、サイトから注文した顧客に対するアンケートになります。
これは引き寄せられて注文した顧客の声を拾うことになります。
発生していない事実は、代理店経由で注文した顧客に対するアンケートで、サイトに関わっていない(引き寄せられた人ではない)顧客の声を拾うことになります。

測定・評価できない問題行動は、実体を捉えることができないので、次の原因究明、改善段階でもその有効性が評価できません。
、最後まで想定の世界のまま問題解決が進められ、効果があっても無くても、改善策が有効か無効か判断できないまま終わることになります。

このように問題行動を測定・評価して、データで裏付けを取りながら、解決対象を絞り込んでいき、課題を設定します。
課題設定では、問題を切り分け、データで裏付けを取りながら、改善効果の見込めるものに貴重な時間を投入することを心がけましょう。

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【この記事を書いた人:

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