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5S活動:5S診断と取り組み改善の事例

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5S活動の記事

5S活動についての社員の意識と姿勢、定着度、5Sの効果性の診断と改善の事例

5S活動が徹底しない、効果がない、やらされ感から反発があるなど、問題を抱えた企業は多くあります。
自分たちの5S活動について、多面的かつ客観的に評価し、課題を洗い出して、自分たちの取り組み方を改善するために、5S診断をしてみましょう。
診断は、意識・姿勢、定着度、効果性の3つの側面から行います。
ある会社の診断報告・改善事例から、どのように診断していけばいいか紹介します。

5Sに対する社員の意識・姿勢の診断

社員の5S活動に対する意識と姿勢について、以下の観点からアンケートやインタビューなどを行い診断します。
・5Sに対して抱いている印象(必要性や意義、効果など)
・5S活動に対する自らの姿勢(重要性、優先度、取り組み時の考えや行動)
・その他、5Sに関して自らが抱えている疑問や課題

5Sに対する意識・姿勢の調査結果(アンケート)

5Sに対する意識姿勢のアンケート結果グラフ5Sに対する印象としては肯定的なものが過半数である一方で、取り組むとなると「めんどうくさい」「業務優先」の姿勢となり、5Sは余分な仕事という意識が見えてくる。
苦手意識ややらされ感という声もある。

意識・姿勢の課題と改善案

<診断結果>
「やるべきこと」には、無条件で求める姿勢が含まれており、将来、この姿勢が「やらされ感」を増大させるリスクがある。
「めんどくさい」「業務優先」が半数を占め、5Sが付帯的な業務で、重要度・優先度の低いものという意思が根底にあり、効果があると思っていないと考えられる。
「苦手意識」「続けられない」は、5Sが他人から与えられたやり方であり、自分流の仕事の中に組み込むことが難しいと思っている表れと思われる。
<課題>
効果が高いと認められないことをやらされ続けることで、5S活動に対する悪い印象が定着してしまう。->5S活動を意義があり、仕事において効果のあるもの認識を高める教育。仕事において効果がある5Sができているか評価する基準をつくる
与えられたやり方、強制されたやり方が苦手意識、反感を増大させる可能性がある。->自分たちのやり方で5S活動に取り組ませる仕掛け
<改善案:意識・姿勢を高める啓蒙と教育>
5Sによってバラツキが減ることを理解させ、5Sによる品質向上のロジック、生産性向上のロジックを理解させて、演習やゲームで、その効果を体験させて体得させる。
5Sの段階的取り組みによって、より大きな成果を出せる活動へと成長する流れを理解させ、5S活動をレベルアップさせて、自らを成長させることをめざすことの面白さを伝える。
バラツキと成長のイメージ
これら啓蒙・教育を継続的に行い、後ろ向き姿勢の人の割合を2割以下にし、5Sへの取り組みを肯定的に捉える人が大勢を占めるようにする。
後ろ向き姿勢の人の割合グラフ


5Sの定着度の診断

社員の5S活動に対する意識と姿勢について、以下の観点からアンケートやインタビューなどを行い診断します。
・5Sに対して抱いている印象(必要性や意義、効果など)
・5S活動に対する自らの姿勢(重要性、優先度、取り組み時の考えや行動)
・その他、5Sに関して自らが抱えている疑問や課題

5Sの定着度の調査結果(セルフチェックリスト)

定着度評価シート

5Sの定着の課題と改善案

<診断結果>
在庫管理、品質管理、安全管理などによって管理がされているモノや領域の5Sは比較的できているが、他の管理が及んでいないモノや領域の5Sはできてない。
平均的にできているものでも、職場によってまったくできていないところがあり、定着度合いにバラツキがある。
共用机などの管理主体が曖昧な所の5Sはまったくできておらず、管理責任が明確でないモノや領域は、放置されていて、問題視して改善しようという姿勢が見られない。
仕事の着手前、完了における整理整頓は比較的できているが、仕事中のモノ、環境下での整理整頓はできてない。
<課題>
他の管理要請から整理整頓ができているだけで、5S活動として5Sを定着しているとは言い難い。->5S活動として5Sを定着させる仕掛けをつくる。
仕事中のモノ、環境下での整理整頓はできてない。->作業と直結したモノや環境の5S改善力を高め、定着度を評価する基準のつくる
管理主体が曖昧な所を改善しようという姿勢が見られない。->5Sを定着するために自ら評価と改善をする意識と行動への転換。
<改善案:5Sを定着させる仕掛けづくり>
5S活動の目標の見える化と達成管理の導入
5S活動ボードによって目標と進捗の常時見える化を行い自分たちの軌跡を残し振り返りを行うようにさせる。
5S活動の掲示板を設置し、取り組みと工夫の見える化による共有、他職場のガンバリの刺激、異なる発想からの刺激と知恵の共有をはかる。
改善ボードと掲示板のイメージ
5Sが職場に定着できているか客観的に判断できる評価基準(チェックリスト)を作成し、評価基準を満たすことを目標として取り組みを開始させる。
評価基準を使い、自ら評価し、定着に向けた活動の改善を繰り返すことで、定着度レベルを4まで引き上げることをめざす。
外形的5Sが定着できたら、効能的5Sレベルを評価する基準を示し、効果を上げる5Sを定着することを目標化し、自律的な評価と改善を繰り返す取り組みにシフトさせる。
定着度評価基準と定着度グラフ


5Sによる効果導出の診断

5S活動によって、職場や仕事において効果を出しているか、効果的5S改善力があるか、以下の観点で現場観察とアンケート、インタビューなどを行い診断します。
・現在の5Sの取り組み事例の観察と課題の洗い出し
・5S上の問題(整理整頓のまずさ)に対してどのような対応をするのか
・5Sの効果性に対する認識
・仕事の課題と5Sの貢献度

現場観察での指摘事項と改善案

<通路に置かれたモノ>
現場観察で通路にモノが置かれていた指摘
通路に置かれているモノを片付けることが5Sではない。置かれた原因を改善しなければ、片付けさせても、また、すぐにモノが置かれるようになる。
通行の邪魔になることよりももっと大きな問題があることを管理者は認識していない。通路にあるモノは、置き場が決まっていないモノ、または正規の置き場に置けないものである。このような決まっていないモノ、非正規のモノは、扱い方も曖昧になり、混入や誤組付、破損のリスクが高くなる。
通路にモノがあるのは、前後工程のラインバランスの崩れや作業タイミングが同期していない表れである。ラインバランスの崩れや作業の非同期は、在庫の過不足を発生させ、納期遅延の元凶となる。
通路に置かれたモノの改善案
改善案①
置き場を広げ、通路にモノが置かれないようにする。広げた置き場は、規定ゾーンと改善ゾーンに分け、規定ゾーンに収まらないモノは、改善ゾーンに置くようにする。
改善ゾーンにモノを置くときは、日時や理由を記録しておく。記録から、規定ゾーンに収まらない原因を分析し、改善を行う。
改善ゾーンにモノが置かれないようになったら、規定ゾーンを少し小さくし、改善ゾーンのモノに対する改善を繰り返し、はみ出るモノを徐々になくしていく。
改善案②
後工程にある置き場に前工程からモノが送られるPush型のモノの流れを後工程が引き取るPull型のモノの流れに変える。
具体的には、置き場を後工程から前工程に変える。
Pull型では、前工程側に置き場があるので、後工程が引き取ってくれないと完成したモノを置く場所がなくなり、生産できなくなる。これより、前後工程の生産は同期改善が促されるようになる。

<乱雑な机の上>
現場観察での指摘の乱雑な机の上
机の上が綺麗に片付いていることが5Sではない。なぜ、乱雑になるのか、その人の仕事の仕方における原因を解決しなければ、片付けさせてもすぐに散らかる。
机の上が散らかる原因の一つは、仕事を終わった都度、一つずつ片付けないまま、次の仕事に取りかかるため、または、仕事が完了していない途中のまま次の仕事に取りかかるため、使ったファィルがたまり、資料が散らかる。様々なファイル・資料がある事で、情報抜けや新旧の取り間違いなどのミスが発生するリスクが高くなる。
メモが付箋紙が多い場合、その人は、記憶に頼った仕事をしていたり、箇条書きにリストアップした仕事を頭の中で、優先付け、着手管理、進捗管理を行っていることが多い。記憶に頼ったり、頭の中で管理する仕事の仕方は、仕事の手順・段取り、工程の抜けもれ、混乱などが発生しやすく、生産性が低下する。
乱雑な机の上の改善案
改善案①
資料はファイルに綴じて、ファイルはステータス(仕事の進行状態)別に立てて置くようにする。立てて置くようにすることで、必要なファイルをそのまま取り出すことができ、散らからない。
完了したモノは、引き出しやキャビネット内に収納する。
パソコン内も同様にステータス別のフォルダーを作成し、その中にファイルを入れるようにする。
ステータスは、「着手前」「中断」が基本となるが、さらに「着手前」は優先度別で、「中断」は中断理由別に分けてもよい。
改善案②
メモ(付箋紙)は、前後関係をツリー構造で並べることで、体系的に仕事を整理することができ、抜けモレに気づくことができるようになる。また、優先度も明確になり、着手順を間違えることもなくなる。
また、メモをカレンダーに納期別または着手日別に貼り付けることで、何をいつまでにやらなければならないかひと目でわかるようになり、記憶に頼らず、頭での管理が不要となり、仕事に集中できるようになって生産性が上がり、納期遅延がなくなる。

職場の課題認識と5Sの効果の調査結果(アンケート)

職場課題と5S効果認識
職場の課題は生産性と人材育成、ミス防止で8割近くを占めるが、5Sの効果は、これら課題解決に役立つという認識はほとんどない。
5Sの効果は、探索時間の短縮、景観的効果が7割を占め、高い恩恵のある効果はないと認識している。

5Sによる効果導出の課題と改善案

<診断結果>
5Sによる効果は、探索時間の短縮と言った、かけた手間や工数に比べて著しく低いものであったり、景観面など経済的ではないものという認識が大勢を占めている。
職場の抱える課題と5Sの効果は、合致するものはなく、職場の課題解決に5Sは貢献しないと思っている。
実際の5Sの改善事例は、整理整頓すること、片付けることを目的としたものが多く、品質向上や生産性向上をねらった取り組みは少なかった。
現場観察で指摘した問題に対しても片付けることで解決するという姿勢の発言が多く、「なぜ、通路にあるのか? なぜ散らかっているか?」という原因を探求し解決する姿勢は見られなかった
<課題>
5S活動の効果は、探索時間の短縮、景観の改善という認識。->5Sによる品質向上・生産性向上の効果の認識を高める教育。
職場の課題解決に5Sは貢献しないと思っている。->職場や仕事の課題解決に整合した5Sへの転換に向けて5S改善力を高める
片付け型5Sが横行。->不要なモノがある、散らかるなど問題の原因を究明して解決する5S改善力を身につける
<改善案:効果的5S改善力を身につける>
5Sと仕事との繋がりを見いだす取り組みを行う。具体的には、5Sの改善の以下の特性を活かした仕事の課題解決立案を行う。
 ・標準化と共有->チーム力
 ・異常の見える化
 ・ルールの見える化と定着
 ・手順と動作のムダ取り
5Sと仕事の課題の繋がりを見いだす
原因を対象とした改善スタイルにする。不要なモノを生み出す仕事のプロセスの以下のような整理・整頓改善を行う。
 ・不要なモノを生むプロセスをなくす
 ・プロセスの順番を整頓する
 ・プロセスの異常(汚れ)を見える化する
原因を対象とした改善
仕事の課題解決に貢献する5S改善、原因を究明して解決をはかる5S改善によって、5Sが職場や仕事において、効果がある活動へと転換してきているのかを定量的に評価する。
効能的5Sレベルを評価する基準を作成し、効果を上げる5S活動のレベルを評価し、それを高めるための、取り組み方法や活動内容の改善を繰り返すことによって、効能的5Sレベルの「脆弱性の改善」の達成をめざす。
効能的5S評価基準とグラフ

5S活動の体制と取り組みの診断

現在の5S活動の体制と取り組み方法について、以下の観点からヒアリングなどを行い診断します。
・取り組みを仕掛ける主体は何/誰であるか=取り組み体制はどのようなものか(例えば事務局)
・取り組み方法はどのようなものか
・体制及び取り組みにおいて発生した問題はあるか、また、その内容は
・問題に対する対応策は何をしたか

5S活動の体制と取り組みの調査結果(ヒアリング)

5Sをすることを目的化してしまっている。5S活動はある目的を達成するための「手段」であって目的ではない。

診断結果からの課題と改善案:5S活動の体制と取り組み

<診断結果>
5S評価基準で示された5Sの形(カタ)を満たすことを職場に求め、形ができているか、否かによって5Sの出来を評価する方法で展開されている。
事務局対職場という構図で、そこには職制(管理職)の関わりが明確でなく、事務局からの指示で5Sに取り組む体制となっている。職制の協力は少なく、逆に業務優先を部下に求め、5Sを後回しにする風潮がある。
トップダウン型の5S活動に対して、「やらされ感」が募り、効果が見えない中で、5Sへの取り組みに「不毛感」が広がっているように見える。
<課題>
5Sの形を満たすことが目標化し「やらされ感」「不毛感」が広がっている->5S活動を意義があり、仕事において効果のあるもの認識を高める。
事務局対職場という構図でトップダウン型の5S活動->職場が主体となり、自ら目標を掲げる取り組みへの転換。
職制(管理職)の関わり、協力が少ない->職制(管理職)が5Sを通じて職場の業務遂行能力高める取り組みを業務目標化
<改善案:5S活動の取り組み体制>
トップが職場巡回を通じて活動にコミットし、管理職が5S推進を業務目標として取り組む体制とする。
5S活動の自律化と徹底をはかるために推進責任氏を置く。
効果的5Sの見本としてのモデルをつくり横展開をはかる。
5Sの意識と姿勢を高めるための教育を全社員に向けて行う。
5S活動の取り組み体制イメージ

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